第四十二話 相手の切り札に対抗できないなら終わりです。
酷く痛む。
後頭部が痛みが酷い。
更に痛みが酷く成りだした。
「其れより此れは何?」
「これって?」
「此れだよ周りの景色が行き成り変化したんだけど」
「あ~~」
僕の言葉に愚兄は言い難そうな感じで明後日の方を見る。
愚兄が見た先。
其処には二階建てのアパートが有った。
筈だった。
其処に有ったのは何処かの山。
そう山だ。
何故か山が有った。
住宅街の筈なのに。
もう少し詳しく言おう。
僕の視界に有る景色は何処かの山奥だった。
上を見れば雲一つない青空。
先程まで夜だったのに。
其れを背景にそびえたつ山。
周囲を見れば人工的に切り崩した大きな岩と瓦礫。
採掘所。
そうとしか言えない場所だった。
足元の砂利の感触は其れが本物だと分かる。
何故かこんな所に一瞬で来ていた。
瞬き一つの時間で。
目を瞑った瞬間此処に居た。
意味が分からない。
「此れは閉鎖空間だ」
「閉鎖空間?」
「世界を破壊出来る存在が顕現した時に世界その物が閉じた空間に封じ込めるんだ」
「ゑ? 何その中二病発言……愚兄意味わかんないんだけど」
「愚弟……まあいい」
「うん」
「分かりやすくいえば特撮ヒーローが戦う時何故か採掘場に居る現象だ」
「説明を凄く端折ったよっ!? しかもわかりやすいっ!」
「此処での戦闘は現実世界に影響はでない」
「分かりやすいっ!」
「つまりやりたい放題」
「言い方っ!」
凄い分かりやすい。
というかアレ閉鎖空間なんだ。
「まあ~~問題はだ此処を抜けるにはアレを倒さないと駄目だという事だ」
アレね。
「「「ハイルッ!」」」
奇声を上げ現れる全身黒ずくめの男たち。
顔まで黒い布で覆われた其れ。
見慣れた異常者。
いや見慣れ過ぎた者達。
いや本当に。
今度は大きさが凄い。
高層ビル並みか?
異常者にして異常な者たち。
全身を覆う布はごく一部しか外気に晒していない。
手には棒のような武器を持っている。
異常者にして異常な者たち。
耳がデカい其れも途轍もなく。
頭部と同じ大きさって意味あるのか言いたい。
人ではない。
人にしては異常。
其れは見覚えのある雑兵。
やたらデカいけど。
というかもう此奴ら飽きた。
本気で飽きた。
早く退場させたい。
顔は青白い蛸みたいであり胴体から八本の触手人を持つ異形。
異形。
異形……明らかに其れは異星人と呼ぶに相応しい姿の者だ。
蛸型異星人の巨人バージョン。
「アレを倒せと」
「うん」
「無理」
「無理だな」
僕と愚兄頷く。
「諦めないでよっ!」
姉よ空気だったな。
今まで。
そう思った時。
激しい頭痛がした。
その時僕の中のナニカが完全に砕けた。
ナニカ。
僕の常識が。
そして僕に変化が起きた。
心の中に。
心に囁くナニカ。
『……汝は力が欲しいか?』
「結構です」
『ゑ?」
「怪しいんで」
『マテ』




