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第四十話 奥の手は誰もが持ってる物。(多分)

 痛い。

 酷く痛む。

 唐突に後頭部が痛みだした。

 蛸型異星人を撃破した直後から痛み出した。

 ずきずきと痛む後頭部を摩りながら僕は金属バットを下す。

 はあ~~とため息が出た。

 いや本当に。


「痛いな~~」


 後頭部の痛みの原因は何か分からない。

 魔法を使ったのが原因か?

 等と思いましたが直ぐに違うと感じた。

 此の後頭部の痛みは。

 でも酷く似た痛みを何度も感じたことは有る。

 其れも三回……いや四回か?

 何だろう?

 ふむ。

 何か似た様な出来事が有ったな。

 何だろう?

 

 ……そういえば心当たりが有るぞ。


 何故か後頭部の痛みを感じてると奇妙な出来事に出会ってたな。

 魔法少女に変身する御母さんに。

 改造人間に変身する御父さん。

 戦隊ヒーローに変身する愚兄達。

 そして蛸型異星人に再会した時。


 何だ?

 何なんだ?


 此れは唯の後頭部の痛みではないのか?

 まるで。

 まるで更なる超常の現実が再び起きることを警告してるのではないか?

 まさかね。

 まさか。


「不味いな~~」

「どうした愚兄」

「不味いんだよ」

「だからどうしたの馬鹿愚兄」

「蛸型異星人を想定外の方法で倒したのが不味い……兄に向って馬鹿っ!」

「今まであの程度の敵を倒せなかった貧弱が何を?」

「兄を罵倒してるよ此の愚弟っ! いだっ!」


 殴りかかろうとする愚兄の足を引っかけ転がす僕。


「其れで敵を倒して何が悪いの?」

「倒せてないわ愚弟」

「何が厚化粧ババア」

「異星人は数ある認識力断絶現象でも倒せる手段が限られてる敵なの」


 厚化粧ババアはスルーかい。


「倒せる手段が限られてる?」


 姉の言葉に僕は眉を顰める。

 いや其れより気になる言葉が有る。

 その前に数ある認識力断絶現象?

 どういう意味だ?

 まるで認識力断絶現象が意志を持ってるみたいな話し方だな。

 違うと思うが。

 

「異星人の倒し方は二つ」

「二つ?」

「その一つが私たちがやってた対になる物で何度も削る方法」

「削ると言うよりひき殺す感じでは」

「言い方っ! 犯罪者に聞こえる」

「ひき殺すのは犯罪です」

「……」


 視線を逸らした。


「但し此れは時間がかかるの」


 スルーして話してるし。

 無能では無かったと愚兄達が?

 唯の言い訳では?

 対に成る物ね~~。


「もう一つは対に成る物三つで一気に殲滅する方法」


 何か対に成る物を二人が持ってる口調だな。

 其れで異星人を気長に削っていた?

 つまりゆっくり倒していたと?

 馬鹿馬鹿しい。

 現に蛸型異星人は死んでるし。


「不味いな」

「ええ」

「下手すれば活性化するかもな」


 二人の口調が焦りを含んでる。

 そしてその視線は蛸型異星偉人が粉砕された辺りを見つめていた。

 其処には何も無い。

 無い筈だ。


 変化が起きた。

 何かが集まる。

 何かが。

 ナニカガ。


 まさか。

 まさか何か起きるのか?


 

 そんな時だった。

 其れが現れたのは。

 顕現した。

 何もない所から。

 虚空から。

 


「「「ハイルッ!」」」


 奇声を上げ現れる全身黒ずくめの男たち。

 顔まで黒い布で覆われた其れ。

 見慣れた異常者。

 見慣れ過ぎた其れ。

 異常者にして異常な者たち。

 そう呼ぶ理由も有る。

 全身を覆う布はごく一部を除き目しか外気に晒して無い。

 手には棒のような武器を持っている。

 異常者にして異常な者たちというにも理由が有る。

 耳がデカい上に頭部と同じ大きさだ。

 人ではない。

 人にしては異常。

 其れは見覚えのある雑兵。


 確か遥か遠方に飛ばした筈だ。

 何で此処に居る?


「ふうう~~やってくれたな」

 


 顔は青白い蛸みたいであり胴体から八本の触手人を持つ異形。

 異形。

 そう明らかに異形の者だ。

 異形……明らかに其れは異星人と呼ぶに相応しい姿の者だ。

 蛸型異星人のお出ましだった。

 無傷の。

 その体は何故かピクピクと痙攣してる。


「やってくれたな~~貴様ら」

「「不味い活性化し始めてる」」


 愚兄達が震えてる?

 何でだ?


「せめて適合者があと一人居れば」

「言うな無い物ねだりだ」


 適合者?

 

「適合者って……」

「無駄だ更なる高み真の認識力断絶現象に選ばれた者でなければなれん」


 にいい~~と醜悪な笑みを浮かべる異星人。

 というか蛸ですね。

 見覚えのある。 

 先程僕の手にかかった蛸型異星人。

 

「生きていた?」

「残念だったな我等〇喰〇は通常の方法では倒せん」


 奇妙な感覚に僕は戸惑う。

 聞こえない。

 聞こえないんだけど……。

 聞こえる。

 何だ此の感じ?


「貴様ら適合者を倒せば我等星〇いは更なる高みにいける」


 蛸型異星人の言葉が聞こえるのか?



 この時僕の中に何かの枷が外れた気がした。

 何かの枷が。

 其れが何なのか分からない。


『……』


 うん?


『わ……』


 何かに呼ばれてる気がする。

 何に?

 

「見せてやろう我が切り札を」


 蛸型異星人の肉体の痙攣が更に激しくなる。

 何かの前兆だろうか?


「不味い活性化が激しくなっているっ!」

「なら私たちの〇タ〇コアで抑え込む」

「行くぞ新必殺技っ!」

「ええ新必殺技ねっ!」


 愚兄達に見えない何かが高まる。

 何かが高まってる。

 

「ゑ? 新必殺技?」


 蛸型異星人固まる。

 まるで想定外と言わんばかりに。


「「ゆくぞっ!」」

「ウン」


 蛸型異星人。

 固まってない?


「こいっ! 流れ星っ!」

「来てっ! シリウスッ!」



 乗ってますが?

 そのまま後ろにUターン。


「「逃げたあああああっ!」」


 突然の逃亡に僕と蛸型異星人は悲鳴に近い驚愕の声を叫ぶ。

 そのまま逃亡と思いきや更にUターン。

 

「食らえっ! 兄弟戦隊シマイ今必殺の轢き逃げアタックウウウウッ!」

「兄弟戦隊シマイ今必殺の衝突事故おおおおっ!」


 二人の必殺技が炸裂。


「「同じ技ああああああああああっ!」」


 僕と蛸型異星人の驚愕の声が重なった。

 何処が新必殺技?




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