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第三十八話 敵の敵は味方では味方の味方は敵という展開あったけ?

 閃光が其の場を支配した。

 赤き閃光は周囲の目を眩ます。

 

「愚弟何を……まさか御前も戦闘要員か」

「変身って……その姿何?」

「魔法少女ですが」


 変身した僕は胸を張る。


「「「脂ぎったデブ中年の何所が」」」


 敵味方問わずツッコミが酷い。

 いやね。

 何故か戦闘形態というか……。

 魔法少女になると幾ら元の外見が変わっても前の姿に成るんだよ。

 脂ぎった中年姿に。

 多分初期登録がアレだから変わらんだろう。

 というか閃光で眼が眩んでる筈なのに何で分かる?

 其れだけ此の姿が酷いのか?

 そうなんかい?


「くう~~眩しい禿の輝きか」

「此れが幸せを掴んだデブ中年の輝きか」

「御前ら本当に僕の兄弟なの? さっきから煩いよ」


 此の愚兄達……。

 本気で酷くない?


「若い嫁さん貰ったからって調子のんなっ!」

「家を買ったからって威張んなっ!」

「妬みかっ!」


 酷い兄弟だ。

 二人は僕から放たれる閃光に目をやられない様に視界を防ぐ。

 此の閃光は本来其処迄酷くない。

 光量は変身した魔法少女の意思に従い変わる。

 何故なら変身という無防備な瞬間を守る為の物だからだ。

 この光は。

 上手く使えば武器に成る。

 敵の視界を潰し有利に戦いを進める武器に。

 光量は強め持続時間は長めにしときました。

 其れで今回は蛸型異星人を打倒する為に使った。

 だけどまさか愚兄達も此方を見るとは思わなかったよ。

 予想外の事態だ。

 その為に愚兄達の体勢が崩れた。

 その為支援機にかける力のバランスが崩れる。


「取ったぞシマイッ!」

「「しまったっ!」」


 体勢を崩した愚兄達の支援機を力ずくで完全に止める。

 見た目に反してあの蛸型異星人力が強い。

 ちっ!

 此のままでは多分あの人数は不味い。

 更にだ。

 更に力をっ!


「ダブル変身っ!」


 閃光は無い。

 収まったからだ。

 いや新たな変身の為に強制的に消えた。

 静かな変身。

 ナノマシンが体内から出て顔を覆う。

 そして顔がマスクに覆われる。

 マスクの正体はナノマシンだ。

 怪人はマスクを被ることで其の力を発揮する。

 僕のマスクは鳥だ。

 鳥に変化した。

 ダチョウに。

 此の姿は怪人としての僕の姿。

 ダチョウ型怪人。

 正確に言えばダチョウ型魔法少女怪人だ。


「「「ださっ!」」」

「煩いっ!」


 愚兄達と蛸型異星人のツッコミが煩い。

 身体能力が一気に上がる。

 身体能力の強化。

 其れが怪人の特性だ。

 後はモチーフになった生物の能力も受け継がれる。

 僕の場合は走る事。

 其れが発揮された。

 そのまま僕は尋常ならざる速度で走る。


「させんっ!」


 僕の思惑に気が付いたのだろう。

 蛸型異星人は触手の一本を此方に向ける。

 ちいいっ!

 勘のいい奴。

 迎撃されるっ!


「「させるかっ!」」

「くっ! しぶとい」


 ナイス愚兄達。

 蛸型異星人の体勢をさらに崩した。


「ふんっ!」

「「ちっ!」」


 だがすぐさま体勢を整える蛸型異星人。


「愚弟っ! やはり御前も怪人になったのかっ!」

「何て事をっ!」


 愚兄の言葉に有るのは僕への怒り。

 其れは人を捨てた事への怒りだ。

 愚兄達は僕が組織に属してること知っている。

 其れは裏方の仕事。

 事務員とかメカニックだと思っていた。

 そんな仕事をしていると思っていた。

 いや。

 そんな願望をいだいていた。

 そんな都合のいいことを。

 だから僕が戦闘要員への道を選んだかもしれない。

 そんな可能性を考えていなかった。

 いや考えたくなかった。

 まさか人を捨てるとは……。

 其の結果が今だ。

 人を捨て怪人になった僕。


 其れに怒りを覚えた。

 そんなところか。


 その考えが手に取るように分かる。

 だけど此れは僕が選んだ道。

 自分が選択した道だ。

 

 だから何も言わせない。


「高い給料貰って其れで若い嫁さんを釣るなんて卑劣だぞっ!」

「聞いたぞ御父さんに家は組織から買って貰ったんだってっ! 羨ましいぞっ!」

「唯の妬みかっ!」


 申し訳なさが無くなったじゃん。

 僕は愛用の金属バットを取り出すと構える。

 渾身の力を込め一気に振る。


「朝帰りのサラリーマンスイングっ!」


 ゴス。

 ゴス。

 ゴス。


「「「ぎやああああっ!」」」


 雑兵の頭を金属バットで殴る僕。

 技名は適当です。

 うん。

 良い感触だ。

 柔らかい中身の詰った音だね。

 外側の硬いのは割ってないけど。

 そのまま空のかなたに飛んでいく雑兵。

 ホームラン~~。


「え~~躊躇なく人の頭を殴ったよ」


 蛸型異星人……御前が言うな。

 脂汗を流しながら。


「ないわ~~ないわ~~」

「何所の殺人鬼かえ~~家の愚弟は」

 

 愚兄達……。

 助けてやったのに……。


「後で家族水入らず野球をやろうか因みにボールは愚兄達の頭」

「腹が痛いので遠慮する」

「家計簿つけるので時間ないわ」

 

 視線逸らすな。


「家族に対して容赦なさすぎる」


 蛸型異星人顔が引きつる。

 多分だけど。

 蛸の表情なんて分らんし。

 というか仲いいな。

 あんたら。


「良かったら一緒にやる? 野球」

「「「やりません」」」」


 愚兄達。

 何で蛸型異星人とドン引きしてる?

 本当に仲いいな。

 というか三人纏めて潰すか?


 

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