第三十四話 ゲテモノは美味しいと相場は決まってるらしい
変身を解いた兄と姉を見る僕。
其れは改めて見ると何処にでもいる様な顔だった。
「ねえ兄さん」
「何だ?」
明日香が御茶菓子として出した煎餅を齧り御茶を飲む。
姉はというと御風呂に入りに行きました。
うん。
寛ぎすぎだろう。
初めての弟の家で流石に此処迄寛ぎすぎなのはどうかと思う。
「自分の家系ってモブ顔多くない?」
「言うな」
「御母さん以外全員じゃない?」
「言うな悲しくなる」
苦い顔をする兄さん。
うん。
御母さんだけ美形なのに残りが普通。
というかモブ。
遺伝子が濃ゆすぎる。
御父さんの遺伝子が強すぎる。
「ああ~~そういえば明日香と面識が有るという事は僕の事も知ってる?」
「何がだ?」
「同じ組織に就職した事」
「ゑ?」
「知らんかったのか~~」
「何でまた悪の組織に就職したんだ?」
「給料が良かったから」
「世知辛いな~~金か? 金が全てか?」
「当たり前だろう」
「うわ~~」
涙を流すな。
誰だって給料高い所に入りたいだろうに。
其れに明日香を嫁に貰ったし。
「今日泊まってく?」
「いや良い」
「姉さんも断ってたな」
「此れから実家に挨拶して帰る」
「そうかい」
其れから暫くして兄さんたち出て行った。
御土産を置いて。
蛸のゲソを置いて。
可成りデカい。
人の胴体程の太さだ」。
其れをぶつ切り。
間違いなく今日遭遇した蛸型異星人だろう。
其れを寄こすとは……。
我が兄ながらぶっとんだ性格してるわ。
「此れは見覚えが有るな~~」
嫌な汗が出ます。
「美味しそうですね」
「明日香さんや」
マジかよ。
僕の嫁さん。
明かに普通の蛸とは思わんだろうに。
「何です旦那様?」
「此れを美味しそうと言いましたか?」
「はい」
「此れが何か知ってます?」
「蛸ですよね?」
「蛸だけど……大きさを見て疑問に思わない? 此れが何か?」
「異星人の触手」
「知ってるじゃんっ! 食べるのっ! 本当にっ!」
「美味しかったですよ」
「実食済みでしたっ!?」
驚きの事実に僕は戦慄する。
何時喰ったのっ!?
「初めて会った時に挨拶がわりに貰いました」
「初対面で渡したんかいっ! 姉さんがっ!」
「美味しいから御ひとつどうですかと御兄さんが」
「渡したんかいっ! 愚兄がっ!?7」
「茹でても焼いても良しと聞いて」
「聞いても食べたら駄目っ! 何が起こるか分からんだろうっ!」
「でも美味しかったから~~色んな料理に使い組織に皆と食べましたよ」
「皆食べたんかいっ!? あのゲテモノをっ!?」
「蛸型怪人が一番食べました」
「共食いかいいいいいっ!」
何か自分の組織ながら頭が痛かった。
なお後日触手を食べたら美味かったと言っておく。
畜生……。




