第二十七話 正義のヒーローの生活って大変だよね。
兄弟戦隊シマイ。
僕の記憶では其の名は恐らく此の国で一部の人間にとって有名である。
五十年前に流行った特撮物の主人公の名だ。
ジャンルは複数のヒーローがロボットに乗り戦う話だ。
地球制服を企む異星人が存在する近未来。
人類の英知を極めた科学集団イトコに見いだされた二人の兄弟。
彼らは異星人の侵略に遭遇し襲われるが偶然にも科学集団イトコに救われる。
科学集団イトコに正義に燃える心を認められた二人は強化スーツと巨大ロボットを託される。
それらを使い戦う彼らは何時しかこう呼ばれた。
兄弟戦隊シマイと。
何時終わるとも知れない戦いに終止符を打つべく彼らは今日も戦う。
という設定です。
当時特撮ヒーロー物と言えばアニメでしか見られなかった。
其れを帝都チャンネルが社運を賭け特撮で放送したのだ。
其れは視聴率四十を超える人気作品になった。
以降に十年かけ放送され続けた人気作品である。
放送終了した後も熱心なファンが居たというからその人気は本物だ。
続編を望むファンの声を聴き何度も続編が作られたらしい。
其のうち主人公が交代した続編も作られるようになっとか。
魔法少女物。
仮面を被ったヒーロー物。
戦隊物。
今では日曜の定番番組である。
その初代戦隊の中の人が居ます。
目の前に。
具体的に言えば身内です。
「とまあ~~僕の記憶ではシマイはそんな設定だったんだけど有ってる? 兄さん」
「大体あってる」
「合ってるね」
うんうんと頷く二人。
未だに変身は解いてません。
「だがしかしっ! 私たちは君の御兄さんではないっ!」
「そうお姉さんでもないっ!」
「そうだね~~」
ズバンッ! と僕に手をかざし反論する。
普通に話してください。
いい年して。
「其れで長崎に単身赴任してる兄さんがどうして此処に?」
「其れは奴らコロンが此の地で何やら怪しい動きをしてると情報を掴んだからだっ!」
認めてるじゃん兄さん。
というかあっさり任務内容を教えて良いの?
「姉さんは何で此処に? 確か宮崎の旦那さんの所で専業主婦してるんじゃなかったけ?」
「去年離婚して就職したのっ!」
「就職? 子供は?」
「仕事先が託児所も有るから其処に預けてる」
姉さんに至っては隠す気すら無いみたいだ。
というか離婚云々は聞いてないけど?
多分両親も知らないだろう。
「という事を君のお姉さんから聞いたっ!」
「……」
どうも口が滑っただけらしい。
しかし其れで誤魔化せると思ったんだろうか?




