第二十話 悪人って冥途の土産が好きだよね。(何で言うかな~~)
僕は目を細め周囲の状況を把握する。
一番奥に明日香が。
その前に怪人が三体。
狼に虎其れに鷹型か。
大盤振る舞いだな~~。
戦闘員ではなく怪人。
此処に来る前軽く明日香からレクチャーを受けた事を思い出す。
御父さんの世代である旧式の改造人間と。
明日香の世代である新型の改造人間の事を。
旧式はナノマシンを最小限にしか使わず様々な機械を埋め込んだ状来の改造人間だ。
新型はナノマシンを多めに使用した簡略版と言った所かな。
旧型の利点は圧倒的な攻撃力と防御力を兼ね備えている。
但し予算が馬鹿みたいに掛かり改造期間が長いらしい。
しかも拒絶反応なども無視できないらしい。
其のうえ組織を裏切らない様にした脳改造は其のスペックを低下させるとか。
主に反応速度の面で。
此れが御父さんが組織を裏切り追っ手を圧倒できた理由だ。
定期的なメンテナンスは多少の不具合に目をつぶれば良いらしい。
其れに対して新型を詳しく思い出した。
最新型の其れは新型のナノマシンを使用した改造人間だ。
攻撃力や防御力といった面で旧型に劣るらしい。
但し予算の面や改造期間が短くて済むという利点がある。
しかも状来のナノマシンも併用するため拒否反応は殆どないらしい。
但し組織を裏切る可能性を抑止する方法が状来より低いとか。
其れを補うため様々な方法が試みられてるとか。
唯定期的なメンテナンスをしないと状来の物より低下するとのこと。
此処に居るのは新型が三体。
「成程~~其れで此処に御父さんが居るのは噓だった訳か」
「まさか本当さ」
おどけるように言う狼型の怪人。
「御父さんに組織を壊滅されてないのに?」
「奴は我らが新しい能力を得ていたことを知らなかった……ただそれだけだ」
「だからやられた?」
「そうさ我らが新しい高速再生能力の存在をしらなかったから~~敗れた」
「へえ~~」
冥途の土産にしてはえらいペラペラ喋るな~~。
「一つ聞きたいんだけど」
「何だ?」
「何で唯の一般人である僕をワザワザ罠に嵌めるの? 意味が分からないんだけど?」
「其のことか」
「ああ」
「今年の秋謎の第三勢力が現れたからだ」
「第三勢力?」
はて?
秋?
「見た目は魔法少女の姿をした集団だ」
「ぶっ!」
心当たりが有る。
有りすぎる。
そしてその記憶は先程蘇った。
御母さんだ。
「嘗て此の地を拠点に活動していた魔法少女の存在だ」
内心頭を抱える。
御母さんあなたの所為ですか。
「一人だけだったから捨ておいたが……」
「集団で現れたから脅威とみなし探っていた?」
「そうだ」
当たりかよ。
「其の捜査上浮かび上がったのは御前一人だけだ」
「他にも居た筈だけど?」
「生憎他の者は記憶を失っていてな~~」
そうでした。
全員同士討ちしてたのでした。
「成果は無かったと?」
「ああ」
「そして最初の一人も探したが見つからなかった」
まあ~~平常時は御婆さんだからね~~。
似た女の子を探そうとしても見つからないだろうな~~。
「だから僕を罠に嵌めたて情報を引き出したかったと?」
「そうだ」
御母さん~~。
泣いても良いですか?
貴方の所為で僕こんな目にあってます~~。




