第十六話 変身ヒーローがピンチに陥るのは御約束である。
二人で御飯を食べ御茶を飲んでいた時の事だ。
時計を見ると目を丸くした。
夜の九時だ。
そして明日香の方を見るとノンビリと寛いでいた。
「あはは~~」
バラエティー番組を見て笑う彼女は普通の女の子に見えた。
無防備に見えるその姿は何故か年相応に見える。
「なあ~~ワニ怪人」
「鳳よっ! 鳳っ!」
「どうでも良いけど」
「良くないっ! 花も恥じらう乙女に向かって何言ってるのっ!?」
「乙女?」
僕は何処にいるのか困惑した。
「其処っ! 私よっ! 私ですっ!」
「良いけど……帰らなくて良いのか?」
「え? 御父様から聞いてないの?」
「何を?」
「私が貴方の妻に成る事」
「マテ」
うん。
行き成り話がぶっとんだっ!
「聞いて無いし妻に成る事も了承してないが」
「御父様が嫁の居ない貴方の事を心配して頼んだの」
「聞いてないぞおおおおおおっ!」
「まあ~~私としても渡りに船だったから助かったけど」
「マテ」
「組織を裏切ったからね帰れないし」
「其れと妻がどう関係する?」
「御父様が身内に成るなら保護するというし」
「身内に成るのが僕の妻?」
「そ……幸い貴方は独身だし」
幸いって……。
「なので婚姻届を出したから安心して」
良い笑顔です。
「何を安心してだっ! 其れに僕は婚姻届に判を押して無いぞ」
「偽造して届けたから私に手を出しても合法よっ!」
「止めろはしたないっ! 其れに考え直せ僕はオジサンだぞっ!」
「好みだから良いわ」
「良いんかいっ!」
「オジサンなのは嫌だけど」
「じゃあ何で婚姻届けを出したっ!」
「ノリ?」
「ノリでっ出すなああああっ!」
「冗談よ幹部候補の私を撃退した所に惚れたの」
「え~~」
何で其れで惚れたの?
意味わからん。
「だからよろしくね旦那様~~」
いや良いんだけど。
良いんだけど。
中身は怪人だが美少女だし。
普通に結婚は出来ないと思ったが……。
まさかあっさりと決まるとは……。
しかも年下。
良いんだろうか。
「はあ~~良いけどさまあ~~結婚云々は兎も角」
「兎も角?」
「居候として扱う」
「手を出さないの?」
「出すかっ!」
顔を赤くしながら怒鳴ると鳳明日香は……。
いや今は暁明日香か。
何か突然妻が出来たな。
いや良いけど。
良くないが。
うん?
何かが鳴っている。
何処から?
音源を探ると明日香のポケットから聞こえる。
「少し待って旦那様」
「あ~~」
何か慣れない。
こんな可愛い子が僕の妻?
しかもノリで決められたみたいな感じだし。
良いけど。
嫌良くないが。
「旦那様大変よ御父様が……」
「御父さんが何?」
ため息を付きながら僕は首を傾げる。
「私が元居た組織に捕まったみたい」
「はいっ!?」




