第十五話 実父は変身ヒーローである。(無職ともいう)
御父さんは何やら元ワニ怪人と話し込んでいた。
何を話してるか分からない。
分からないが理解してる部分が有る。
話し込む前に新聞を大量に読んでいる事。
其れにこの地域の地図を念入りに見ていた。
こんな不可解な行動をとるときは決まってとあることをする。
「御父さん今から仕事に行くんですか?」
「ああ~~三日ほどで帰るから御飯の方は頼む」
「ではその間は御飯は僕が作っておきます」
「頼む」
うん。
やはり仕事か~~。
「お~~いワニ怪人~~御飯食べてく?」
「良いんですか? というか名前を呼んでください怪人とはいえ人間なんだし」
「聞いてないけど?」
「そういえば教えて無いですね」
「まあ~~聞く気もないけど」
「聞いてくださいよっ!」
「聞いたら情が湧くし」
「犬猫ですかっ!?」
「いや~~墓標の名前を書くとき筆跡で身元がバレたら怖いんで」
「怖い発言しないでっ! まだ私を埋める気ですかっ!」
ズザザ~~と後ずさるワニ怪人。
「冗談だよ」
「本当に?」
「そうだよ~~襲撃してきたけど一応許したし」
「はっ! まさかっ! 毒殺する気ですねっ!?」
「食材が勿体ないからやるわけないよ」
「食材が勿体無いてことは其れ以外ならヤル気ですかっ!」
「そうだけど?」
「もう嫌あああああああああっ! 此奴怖いっ!」
泣き叫ぶワニ怪人。
いや元か。
「あ~~いい加減に此の子を虐めるな」
「いや~~虐める気は無いんですけど……良い反応するんで……」
僕は御父さんの言葉に苦笑いする。
「此奴……何時か絶対泣かせる……」
ボソッと呟いてるみたいだけど聞こえてるからね。
「其れで名前は?」
「は?」
「名前だよ」
「あ~~鳳明日香です」
「正義の味方の様な名前なのに悪の怪人か~~」
「元ですっ! 元っ!」
ガルルと吠える明日香。
うん。
可愛いけど残念な感じだな。
一時間後。
御父さんは何やら色々準備をして出かける。
そんでもって僕はというと御飯の準備をしていた。
とはいえ最早時刻は遅い。
自分の夕飯は済ませてる。
御飯は明日香の分だ。
とは言え一人で食べさせると寂しいだろう。
なので軽く自分の分も用意する。
「ねえ? ママチャリライダーの息子」
「暁真央だ」
「なら真央……」
「マー君と呼べ」
「……まあ良いけどマー君」
「どうした鳳?」
「……貴方の御父さん普段何してるの? 仕事は?」
「知らない」
「何で知らないの?」
「聞いてもはぐらかすし」
いや本当に。
身内でもあの人の事を良く知らないんだわ。
「不定期だけど収入は有るよ」
「手取りで幾ら?」
「月によって違うな~~確か無収入の時も有れば札束を持ってきた事有ったけ……」
「……」
何で黙る?
「其れ本当に仕事してるの?」
「多分」




