第十四話 変身アイテムは奪われる物です。(偏見)
長く艶やかな髪。
透き通るような白い肌。
二重瞼で気の強そうな印象を与える瞳。
強意思を感じさせる引き締まった唇。
黒を基調としたゴスロリ服。
見るからに美少女だ。
十代後半。
見るからに美少女だ。
其の美少女は土下座していた。
僕の家の畳の上で。
「降伏の証として此れを差し上げますので助けて下さい」
美少女は僕に向けて謎の材質で出来たカプセル二つを差し出す。
はて?
「ワニが美少女に化けた」
「化けてませんっ! 此方が本当の姿ですっ!」
「似非少女が本当の姿って……何処の狸だ? 狐か?」
「其処っ! いい加減に化けてることから離れろっ! 一般人っ!」
「其の一般人に恐怖してお漏らしした人に言われてもなあ~~」
「言うなああああっ! 糞デブウウウウウっ!」
僕の言葉に狂乱するワニ怪人。
いや元ワニ怪人かな?
此の美少女。
ワニ怪人が変身を解いたら美少女に成りました。
うん。
意味わからん。
「やるな~~我が息子は~~生身で怪人を圧倒するなんて……」
「人を化け物みたいに言わないでください」
「悪鬼羅刹の方が良いか?」
「普通の一般人です」
実の父の発言に呆れる僕。
「「何所が?」」
「仲いいな正義の味方に悪の怪人」
御父さんと元怪人のツッコミに僕は言い返す。
「時にワニ怪人」
「何ですママチャリライダー?」
「良いのか此れ? 普通に悪の組織の規律違反だが……」
御父さんは畳の上に有るカプセルに指をさす。
「害意が無いのを証明するためです」
「悪の組織の重要機密だろう粛清対象になるぞ怖くないのか?」
「確かに怖いですが……」
「ならどうして……」
「笑いながら生きた怪人を埋葬する一般人より怖いと?」
「悪かった」
何か不本意な評価を受けてます。
「二人の話はこの際置いとくけど此れ何?」
「戦闘用経口ナノマシンです」
「捨ててくる」
「ちよっとおおおおおおっ!」
立ち上がってナノマシンを捨てようとする僕に縋りつく。
「分かってるんですかっ! 其れ下手すれば数百万円の価値が有るんですよっ!」
「胡散臭い」
「いいいいやああああああっ! ママチャリライダー止めてえええっ!」
悪の怪人なのにヒーローに頼るな。
「ああ~~実際は違うけどな」
「ほらな」
「ママチャリライダーあああああっ!」
御父さんの言葉に絶叫する。
煩いな~~。
「材料費込みなら三千万ぐらい……」
「貰おう」
「最初からそう言いなさい……」
美少女がグッタリしてる。
レアかも。




