第九話 ママチャリライダー暁太郎は改造人間である。(止めて)
ママチャリライダー。
僕の記憶では其の名は恐らく此の国で一部の人間にとって有名である。
五十年前に流行った特撮物の主人公の名だ。
ジャンルは仮面を被ったヒーロー物。
世界征服を企む秘密組織が存在する近未来。
悪の秘密組織に改造された人間暁太郎。
彼は脳改造される前に逃げ出し正義の為に戦いに身を投じた。
強化されたママチャリを使い戦う彼は何時しかこう呼ばれた。
ママチャリライダーと。
何時終わるとも知れない戦いに終止符を打つべく彼は今日も戦う。
という設定です。
当時特撮ヒーロー物と言えばアニメでしか見られなかった。
其れを帝都チャンネルが社運を賭け特撮で放送したのだ。
其れは視聴率三十を超える人気作品になった。
以降に十年かけ放送され続けた人気作品である。
放送終了した後も熱心なファンが居たというからその人気は本物だ。
続編を望むファンの声を聴き何度も続編が作られたらしい。
其のうち主人公が交代した続編も作られるようになっとか。
魔法少女物。
仮面を被ったヒーロー物。
戦隊物。
今では日曜の定番番組である。
その初代ママチャリライダーが居ます。
目の前に。
「あれ? 何か最近似たような蘊蓄をたれた気がする」
「どうした」
「いえ」
そういいながら僕は御父さんが茶碗に入れた御飯を貰う。
今日のおかずは~~。
金平ゴボウに沢庵其れにキャベツの千切り。
豆腐の味噌汁は昨日の残りもの。
後は自家製キムチです。
冬の間に家庭菜園で作られた白菜で作られた代物です。
其のままでは腐るので冷凍して保存した物を解凍して出してます。
「美味い~~」
「そうだな~~」
「御母さんは?」
「何でも学生時代の友人と飲みに行くと言ってた」
「はあ~~」
食後の緑茶を貰う。
美味い~~。
我が家では肉中心の生活から野菜魚中心におかずに変えられてる。
健康のためだ。
家族全員高血圧の為こうしてる。
最初は不満でしたが体の調子が良いので満足してます。
「ではなくてっ!」
「おおうっ!」
御父さんの言葉に僕がが慌てる。
「何で驚いてないんだっ!?」
「ゑ?」
そういえば何で僕は驚いて無いんだろう?
不思議だ。
普通なら取り乱すのに。
「まあ~~帰った途端行き成り御飯にした御父さんも大概だけど」
「……」
視線を逸らされた。
うん。
誤魔化す気だったけど僕が何も言わないからアレだな。
調子が狂ったという感じかな。
そんでもって焦って自分から聞いてしまい墓穴を掘った。
という感じだろうな。




