表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/105

奈緒と殺気とイノンモール。

俺とマリア、刈谷の三人は釈明の為、自宅に向かう。

道すがら、刈谷がとんでもない事を口走る。

「キョウ君の事を狙ってるの、私だけじゃなくなったねー。」

「ーーーーーー!?」

マリアが凄まじい眼光で刈谷を睨んでいる。

「…………どういう事ですか、詩穂……。」

「やっぱりマリアは気が付いてなかったんだー。 キョウ君を狙ってるのは、私、奈緒ちゃん、湯川姉だよ。」

「「ーーーーーー!!??」」

俺もマリアも『開いた口が塞がらない』状態だった。


「し、詩穂……私は貴女は諦めたのだとばかり……。」

「いつそんな事言ったのよ。それに、私よりも湯川姉妹の心配したほうが良くない? ひとつ屋根の下よ?」

刈谷……余計な事ばかり言ってくれるな……。


そんな事を話している内に自宅に着いてしまった。 

「入りにくいわね……。」

刈谷が腕を組んで真剣に悩み込む。 お前のせいだろうが!


「ただいまー。」

やはり俺から入る事になるよな。

「あれま。ちゃんと連れて帰ってきたのね!やるぅーー!」

母親は相変わらずだったが、リビングの隅から凄まじい殺気を感じる。

ギギギギギッとゼンマイ模型の様に顔を殺気のする方に向けると、奈緒ちゃんがいた。

だが、どうやらこの殺気は俺には向けられていないようだった。


「この度はご迷惑をお掛けしました。」

マリアと刈谷が頭を下げる。

「湯川さんから聞いたわよ。ちょっとアピールの仕方を間違えちゃったわね! また頑張ればいいじゃない!」

母親はマリアと刈谷に優しく声を掛けると、二人をソファに座らせた。

「奈緒ちゃんも、おいで!」

母親は奈緒ちゃんもリビングのソファに座るように促す。


「私は………ここでいいです……。」

「妹はさっきからずっとあんな感じなんです……。 まぁ、仕方ないですね……。」

湯川さんは何かを察したかのような口ぶりだった。

「キョウちゃん、ちゃんと選びなさいよー! 私はキョウちゃんの選んだ娘なら誰でもオッケーだから!」

そう言って、母親はキッチンに向かう。


「キョウちゃん、湯川さんと買い物して来てくれる〜? 牛乳切らしちゃってて!」

母親が冷蔵庫を覗きながら頼んでくる。

「あ、はい、わかりました!」

湯川さん、警察の仕事大丈夫なのかな?

「お姉ちゃん、私も行く!!」

奈緒ちゃんも何か買う物があるのか、ぴょんぴょん跳ねながらソファに来る。

さっきの凄まじい殺気がいつの間にか無くなっていた。


「じゃあ、行ってきます!」

俺と湯川さん姉妹は、湯川さんの車に乗り、イノンモールへと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ