後輩彼女現る。2
…………ん?
ちょっと待て、落ち着け俺。
耳の掃除は一昨日したばかりだし、聴力検査も別に引っかかったわけじゃない。
……て、事は聞き間違いではない?
なんで、俺?
「あ、あの……それって、えと、こ、告白です……か?」
他から見たら美女と野獣、いや、美女ともやし。
絶対に釣り合わないやん。
「そうですが……ご迷惑でしたか?」
「いや、いやいやいや、嬉しいんですが、何で俺なんですか?」
そう言うと彼女はじっと、俺の目を見つめてくる。 そして………。
「私は、貴方を守りたい!! 貴方を助けたいんです!! それが理由じゃ駄目ですか?!」
いやいやいや、壮大過ぎる理由だよ!
いくら俺がいじめを受けてても、先に手を出しちゃったこの子が悪くなってしまう。
「あの、さっき助けてくれたのは有り難いんだけど、君が先に手を出しちゃったら君が悪くなってしまう! だから、手を出しちゃ駄目だ! いくら、俺を守ろうとしてくれても!」
「………………」
彼女は口を閉ざし、俯いてしまった。
言い過ぎたか? いや、彼女の為には、これくらい言わないと。 って、何を彼氏みたいな考え方してんだ、俺は!
「では、相手の攻撃を受けてからならどうでしょうか?」
彼女が突如、口を開く。
「へ?」
間抜けな返答だな、俺。
「正当防衛という言葉があります。相手が攻撃をしてきた後の反撃ならどうでしょうか。」
彼女がズイッと歩み寄ってくる。
真剣な眼差し。 曇り一つない。
「……わ、わか」
キーンコーン、カーンコーン!
始業のベルが鳴る。
「や、やべ!授業に戻らないと! じゃあ、また今度話そう!」
俺はそそくさとその場を後にする。
「先輩! 待ってください!」
彼女の呼び止める声にも反応せずに。
彼女が一体、何の目的で俺を守りたいのか、具体的な理由が分からないし、相手は不良達。
彼女が、俺を守ろうとする事により、彼女自身に危険が及ぶ恐れもある。
なんにせよ、理由がハッキリするまでは彼女とは付き合えない。
「そもそも釣り合ってない。」
俺はそう呟き、教室のドアを恐る恐る開けた。
不定期更新ですが、書けるときはバンバン書きます!