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天ヶ瀬とデート!!

「ライオンに、トラ……いないですね。」

「この暑さだからなぁ……。」

多分、余りの暑さに日陰に隠れてしまったのだろう。

「クマさんもいないですね……。」

「確かに(笑)来る時期間違えたかな。」

昨日の天気のままならいただろうけど、スマホでの地域の天気予報を見ると、豊橋市は最高気温32度になっていた。


「こまめに水分補給していこう!二人で買った、お揃いのお茶で!」

「ふふっ、そうですね!……冷たい!」

バッグからお茶を取り出して頬に当てるマリア。その笑顔はまるで女神そのものだった。


「次は猿コーナーだっ…………て…………。」

俺達は猿コーナーに着いた途端、見てはいけないものを目にする。

ーーーその光景は、俺達の目の前で繰り広げられていた。


「なぁにアンタ、ガンたれてんのよ!!猿なら猿らしくキーキー鳴いてな!」

「ウキー!ウキー!」

ガン!ガン!ガン!

「あぁん!?何ガラス叩いてんのよ、やろうっての?モンキー野郎!」

見たことない種類の猿に喧嘩を売っていたのは、金髪のツインテールの美少女。

ピンクのフリフリの付いたワンピースに白いヒールを履いていた。

……刈谷だった。こんなとこにいたのか。


「あの人は何をしているんでしょうか。」

「人類と猿の頂上決戦だろ。写真撮っておいてあげたら?」

俺の言葉にマリアは首にぶら下げていたピンク色のデジカメで写真を撮る。


「さっさと通過しよう、同類に見られたくない。」

「そうですね……。」

俺達は猿コーナーでバトルを繰り広げている残念美少女の後ろをそっと通過し、猿コーナーを後にした。


「あー、お猿さん見たかった。」

「大丈夫、まだニホンザルが他の場所にいるから」

ーーーーーー。

ーーー。

ー。


こうして俺達は様々な動物を見て満喫していった。

ニホンザルはガラス張りで間近に見る事ができて、マリアも満足そうだった。

この動物園は猿コーナーや鳥コーナー、ふれあいコーナーやサバンナコーナー等に別れているが、いずれも日陰になる場所が奥にあり、気温が高い日は皆、奥の日陰に隠れてしまい、出て来ないのだ。


「結局、キリンも奥の森に隠れてしまってみえなかったですね。」

残念そうなマリア。やはり普通の女子高生なんだよなぁ。


「先輩!遊園地に行きましょう!観覧車に乗りたいです!」

観覧車か、高い所苦手だが致し方ない!

「マリアがそう言うなら、行こうか!」

「ぐっ…………!!」

マリアが固まる。

「どうした?!大丈夫か!?」

「あ、あの………名前で呼ばれるの凄く嬉しいんですけど、慣れてなくて恥ずかしくて死んじゃいそう……!!」

うっ……そう改めて言われると名前で呼ぶのが恥ずかしくなってきたぞ!

しかも、今から行くのは二人きりの密室になる観覧車!


ーーーどう接すればいいんだー!?


歩くたびに近づいてくる観覧車。

それと共に、俺の心拍数も上がってくる。

その時だった。

フワッと柔らかな物が左手を包み込む。

「驚かせてごめんなさい……。どうしても……手を繋ぎたかったから……。」

左手にはマリアの右手が握られていた。


ますます上がる心拍数!

鎮まれー、鎮まりたまえー!


俺の心拍数は上がる一方だった。

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