出会いとは。
〜第一話〜 出会いとは
まずは、この物語を見てくれた皆様に、ありがとう。
この物語は俺の高校生活を綴った、サクセスストーリーである。
では早速だが、見ていただこう。
俺の名前は田崎彊兵。
書きにくい名前にイラつきを覚える以外は、 ごく普通の高校生だ。
そんな俺は今、私立足伊達高等学校に通っている。
この高校には、目立った校則は無い。
そのせいか、他の学校より荒れ気味な高校であるのは事実。
俺は喧嘩も強くないし、背も小さい。
その為、所謂『イジメっ子』という下等生物にさえ食われてしまう微生物なのだ。
「はぁ、今日も学校かぁ。憂鬱だなぁ。」
愚痴りながら、いつもの通学路を歩いていく。
曲がり角で美少女とぶつかり、恋の予感!?
なんて事も起き得ない、いつもの通学路。
「唯一得意な体育も、今日はないし…。」
ぼやきながら角を曲がる。
ドンッ!!
何かとぶつかり、俺は尻もちをついた。
「って!」
……ん?待てよ?
フワッとした感触、ほのかに香る柑橘系のいい香り。
「大丈夫ですか、お怪我はありませんか!?」
声をかけられた方を見上げると……そこには……。
美少女が立っていた。
濃いめの茶髪に、大きな瞳。長いまつ毛。前髪両サイドは三つ編みにされていて、さらにその三つ編みは後ろでリボンで縛られていた。
髪の毛の長さは肩くらいまで。
間違いなく美少女だ。
手を差し伸べられる。俺は、その手を握り立ち上がった。
情けないな、俺。
そういえばこの子、ウチの制服を着ている。タイの色からすると後輩か……。
ウチの学校は制服のタイの色で学年を分けている。
三年生は青色、二年生は黄色、一年生は黄緑。
学年が変われば、一年生が今度は青色になる。
「あ、ああありがとうございましゅ!大丈夫です!」
噛んだー!
しかも、本当なら「俺が大丈夫ですか」と声をかけなければならないのに、コミュ障のせいだー!
「ふふっ!なら良かったです!」
なんて可愛い笑顔なんだ!キュン死するってのはこういうことを言うのかぁ!
「あ、申し訳ありません、学校に遅れてしまいますので、これで失礼いたします!申し訳ありませんでした!」
そう言うと彼女は去っていった。
最後までカッコわりぃな、俺。
サボっちまおうかな、このまま。
なんか、やるせない気持ちだった。
そういえばあの子、ウチの学校の後輩だったな。
「学校いくか」
汚れた制服を手で払い、トボトボと学校に向った。
見ていただきありがとうございます。
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