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とりあえず俺はスマホのネット注文を開いて考える。自分で調理するべきか、それとも既製品を買うかという件だ。自分で調理するのはコストが買うよりも安く済むし、美味しくできる。そのかわり今は何もない状態のため、一からだと調理器具を買わなければならないのだ。俺は料理に関して無駄にこだわりがあるため、使う調理器具は良いやつを使いたい。包丁などは大切に扱えば一生もんだ。慎重に買いたい。ただ、今は手元に20万しかなく、手元に入るお金もない。そしていつ、この暗黒大陸を出られるかわからない。ソフィアに聞いてみるか、徒歩で何日か。


「なぁ、ソフィア。こっから国へ行くにはどれぐらいかかる?」


「そう…ですね。普通の人だと2〜3ヶ月以上はかかると思いますが私達なら2週間もあれば一番近いとこなら到着すると思いますよ。明日その方法は教えますが。どんな国に行きたいかによりますね。」


「できる限り安全なとかが良い。良い国はないかな?ソフィア視点でいいから。」


「じゃあ、ソメロニア大陸のアルメス王国はどうでしょうか?種族差別もありませんし、治安も良く、冒険者ギルドも相当大きなギルドだったはずです。どうでしょうか?」


「うん、いいと思う。そこにしよう。アルメス王国までだとどれぐらいかな?」


「アルメス王国は、ソメロニア大陸の中心部に位置してるのでもうすこしかかると思います。推定3週間…ってとこですかね。」


「そっか、ありがとう。」


俺はソフィアにお礼を言い、また更に考える。一日3食2人分作ったとして、1000円×21=21000か。少し多く見積もっても食費だけで5万もいかないだろう。残り15万。もしものために5万置いとくとして、残り10万。うーん、まず最低限必要なのは…包丁、まな板、フライパン、鍋、菜箸とお玉、小さなボールが…2つあればいいかな。あとは茶碗、お椀、平皿、箸は2セットずついるな。これらは最悪100均のでいいか。寝るための寝具も必要かな。今は安い寝袋で我慢しようか。うわ、大事なこと忘れてた。炊飯器、いるよな。米食べたい。うわ、良いのは5万かどうしよう。安いのは1万から売ってるな。あー、でも炊飯器はちゃんと良いやつ買おう。お米の味に支障が出る。元日本人の命の元だからな。お、フライパンと鍋、2個ずつセットで2万か。しかも良いやつ。そうするか。当分はこれでなんとかなる。もっと金持ちになったら全て買い換えよう。楽しみが増えた。というか、水代と火の燃料がかからないのは良いな。なんとかなりそうだ。計10万近い買い物をした。とりあえずまず米を炊きたいので、追加で10kgの秋田の米を買い、炊飯器と米を取り出す。ソフィアは突然出てきた炊飯器と米に興味津々だ。聞いたところ、食べたことがないと答えた。天界では食事という概念がなく、食べなくても生きていけたらしい。すごいな。俺は釜を取り出し米を五合測って入れた。残ってもスマホに戻せばいつでも炊きたてが食べれるというわけだ。水はソフィアに出してもらった。俺が出すと危険だからな。無洗米にしたため、米は洗わずに釜を閉じ、そのままスイッチを押す。あれ、動かない。あ、そっか魔力を込めなきゃいけなかったっけ。それぐらい俺にもできるだろう。釜に手を当てて力を入れると魔力が流れた。お、起動した。これでよし、と。次は具材か…、何にしよう。ソフィアに聞いてみるか。


「ソフィア、なんか食べたいものとかある?ある程度なんでも作れるけど。」


ソフィアは少し考えたあと、何か思いついたのかキラキラとした目をこちらへ向けた。


「えっと、えっと、私、おむらいすというものが食べてみたいです!昔、お仕事の時に、若いお兄さんがもう一度おむらいすを食べたかったなって言ってたんです!作れますか?」


「もちろん。楽しみにまってて。」


作れるどころか俺の得意料理だ。せっかくだし、ふわとろオムライスつくってやろう。ソースは…王道にケチャップか、デミグラスソースか…。よし、俺の今の気分でデミグラスソース決定。このオムライスでソフィアの俺に対しての好感度が上がると良いんだけどな。

作るものが決まったので、ネット注文を開き、卵、人参、玉ねぎ、ウインナー、デミグラスソース、調味料として、塩、胡椒を買った。オムライスはご飯がないと作れないからな。ご飯、あと何分でできるだろう。さっき入れたばっかだからな…と炊飯器を覗き込むと同時にピーという音がした。まさか…ね。炊飯器の蓋を開けるとそこにはホカホカのご飯ができていたのだ。唖然としている俺の隣でソフィアは初めてのご飯に目を輝かせている。


「これが米という食べ物ですね!先程はあんなに硬かったのに、モチモチになってますー。凄い機械ですね!」


多分予想だが、俺の魔力が強かったから時短したんだと思う。まぁ、結果オーライだ。これですぐに取りかかれる。ソフィアも楽しみにしていることだし、腕によりをかけるぞー!


俺が作っている間、ソフィアには火の維持をお願いした。火加減もコントロールしてくれてものすごく助かった。しかも、俺の料理さばきにいちいち反応して、特にオムライスをひっくり返し、ご飯を卵で包むとかなんか、感嘆の声を漏らしていた。完成した時には2つのキラキラとした目が俺を見つめていた。ふふ、俺凄いだろ。

もちろん味も最高だった。ソフィアもここ一番の笑顔で頬張っていた。その顔を見れただけで頑張った甲斐があったものだ。美少女の笑顔は世界を救うってこういうことだと改めて感じた。

片付けが終わったあとは、2人で少し話をしたが、お互いに疲れていたのだろうか。寝袋の中に中に入るとすぐに、眠りに落ちていった。


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