街へ
9話目です。
休んだ分少し張り切りました。
雑に書いたわけではないのですが、少し短めになりました。
一通り説明が終わり、女子達の質問にも答えた後。
「何よ? つまりここは地球じゃなくて、別の星ってこと?」
「ああ、そういうことだね」
「でも、おかしいじゃない! どうやってここに来たのかさっぱり分かってないし!」
「その点だけど、僕は魔法じゃないかと思うんだ」
「ま、魔法!?」
目を見開いてシュウを凝視するリンカ。さすがにそうなるわな。
「僕は冷静だよ? この仮説に間違いは無いと思う」
「で、でも……」
「恐らく僕達はテレポートされたんだ」
「誰によ!」
「分からない。そもそも人の仕業じゃないかも知れない」
「…………神隠しってところかしら?」
「そうだね、僕はホノミさんと同じ意見だ」
ホノミは静かに考え込む。コイツはいつも図書室で本を読んでいる。見た目は美人だが、寡黙すぎて付き合った男は口を揃えて『つまらない』というそうだ。失礼な奴らだとは思うが、同感だな。
「そしたら、どうやってお家に帰るの? 私達は魔法使いじゃないよ?」
そう疑問を口にしたのはミズカ。少し抜けているところがあって、クラスのマスコット的存在らしい。
「そこなんだけど……あながちそう言い切れないんだよ」
「俺達は魔法使いじゃない……わけではないみたいだぞ?」
「「「え!?」」」
コイツらはよくハモるな……。
「皆、僕が言うとおりにして欲しい。まず、自分の素性を知りたいと、心に思ってみて。そうして次に右手を挙げて……」
そう言いながら、手元に1枚の紙を出すシュウ。俺もそれに習って紙を出した。
「ええっ! 何を……?」
「すごーい!」
「こう……かしら?」
そう言ったホノミの手には、似たような紙が。
「あ、ええと、こうして……こうっ!?」
「んー……あ、出たよ!」
「3人とも出せたね。そしたらそれを読んでみて」
そういうと各々紙を読み始める……。
『 身分証明書
名前 タクヤ
性別 男
年齢 17
職業 魔法剣士(雷属性)
備考 なし 』
『 身分証明書
名前 シュウ
性別 男
年齢 17
職業 魔法使い(風属性)
備考 なし 』
『 身分証明書
名前 リンカ
性別 女
年齢 17
職業 魔法剣士(聖属性)
備考 なし 』
『 身分証明書
名前 ホノミ
性別 女
年齢 17
職業 魔法使い(火属性)
備考 なし 』
『 身分証明書
名前 ミズカ
性別 女
年齢 17
職業 魔法使い(水属性)
備考 なし 』
なるほどな。全員のを見たがそれぞれに職業が割り当てられているのか。女子3人も納得したようだ。
「これで、分かって貰えたかな?」
「そうね……もう確定したわ」
「最初は取り乱しちゃってごめんね……」
気の強いリンカがいつになくしょげている。
「いや、仕方ないよ。僕も最初は混乱したし」
「だが……問題はどうやって元の世界に帰るかだな」
俺の発言で部屋がシーンとする。
「その前に……この魔法剣士ってなに? 私、剣とか使えないよ」
そこから……か。
「それはまた後で考えよう。今は、僕達が何を目標にするかを決めるべきだ」
「そんなの決まってるじゃない!」
「元の世界に帰ろーよ!」
うんうんと満足げにうなずくシュウ。
「よし、これで決まりだ。僕達は元の世界に帰るために、力を合わせて生きていこう!」
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その日の朝。院長が部屋を訪れ、退院しても良いと言ってくれた。そして去り際にこんなことを言ってくれた。
「怪我や病気になったら、ここにいつでも来るがいい。しかし今回はサービスで料金はとらないが、次からはちゃんと払うように」
と。何だかんだ言いながら優しい院長で良かった。
そして今は病院から出て周りを見渡している。ここから何をするかというと……。
「取り敢えず、ギルドを見つけよう。そこで僕達はパーティを組んで、依頼を受けてお金を貰う。何だかRPGゲームみたいだけど、これは現実だから、そう上手くいかないかも知れない。だけど何か行動しないと良くないからね」
「まあ、ギルドは異世界には定番だろ? そこら辺歩けば見つかるって」
「ねえねえホノミちゃん、ギルドって何?」
「ええと……人が沢山居るところ……?」
「ていうかなんだか外国っぽいんだけど! 私こういう雰囲気は好きなのよね」
…………女子は勝手に喋っている。こんなので大丈夫か?
言いだしっぺのシュウは既に1人ですたこら歩いている。俺は後ろの女子を気にしつつ、周りを見る。
通行人もいるが、特にこちらに興味は無さそうだ。着ている服が似てるからだろう。良い感じに溶け込んでいる。悪目立ちだけは避けたいから、好都合だ。
「うーん、この辺りにはないみたいだね……」
「中央の方に行くか? しかしどの方角に行けば良いか分からんな……この際、歩いて居る人に聞きくか?」
そういうとシュウが早速通行人を捕まえる。
「あの、すみません。ここにギルドはありますか?」
「ギルド……ですか? それなら──」
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「おおー、ここがギルドかー」
「大っきいねー」
「……人が多いわね」
「何だか緊張してきた……」
さっきの通行人に教えてもらった通りに行くと、中々の大きさの建物が見つかった。いかにもギルドという感じに圧倒される。
「さて、お邪魔しまーす」
ノリノリのシュウが扉を開ける。
そこで5人が目にしたものは──。
書けるときに書いておきたいと思い、ちゃっちゃか執筆しました。
何処か変なところがあれば、ご指摘ください。
すぐに修正します。
ちなみに佐上君の本当の年齢は16です。遅生まれですね。
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