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海皇やるのも楽じゃない  作者: 坂鷹孝佐
6/17

改装します!

6話目です。

前のと比べて短いです。


 会議が終わってから、俺は部屋に戻り、考え事をしていた。何を考えているかというと、この国を出ることについてだ。


 今の俺の立場的に、国を出ることは許されない。しかし、ここでずっと海皇のふりを続けることも無理がある。今は何とか乗り切っているが、海皇としての仕事はまだ沢山あるはず。それを全てこなすのは、いくら高校生といえど至難の業だ。


 この先俺がしなければならないこと……それはスティアの政治や、海皇軍への司令、さらにスティア以外の国の領主達への命令。その他挙げるときりが無い。


 ともかく、これ以上ややこしくなる前に地上に出なければ。確か、もうすぐ海底祭とやらもあるはず。ちくしょう、時間が無い……。


 いや、待てよ? カルラは何て言ってたっけ……そうだ、俺が海底祭で、国民に伝えたいことがあると話していたとかなんとか。つまり、俺が乗り移る前の海皇が、国民に何かを伝えたかったのか……。


 ……!これは使えるぞ! そうだ、そうすれば良いじゃないか。中々画期的だ。いや、しかし……うーん……。


 その後しばらくして、俺は眠りに落ちた。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 翌朝。前と同じようにカルラと食事をした後、何気なく質問をしてみた。


「カルラよ、この神殿に大工は居るか?」


 俺の質問が意外だったのか、きょとんとするカルラ。


「ダイク……ですか。そのような名前の方はいらっしゃらないかと……」


 なに、大工は居ない?そんな馬鹿な。


「そ、そうか。では建築士は居らぬか?」


「ケンチクシ……何だか建築と響きが似ていますね」


 その建築で合ってるよ! ……これはまさか。


「あー、そうか、うん、そうだな。それより、設計図を書ける者は居るのか? 居たら呼びだして欲しいのだが」


「設計図ですか。それならばフロスト様の分野かと。ここへお呼びなさいますか?」


「おお、そうか。よし、そうしてくれ」


「はい。少々お待ち下さい」


 そう言って部屋を出ていくカルラ。それにしても建築士や大工が居ないとは。どうやってこの神殿を建てたんだ?


 少ししてから、フロストと共にカルラが帰ってきた。


「失礼します、海皇様。お呼び出しと聞き、参上致しました」


「うむ。実はな、お前に頼みがあるのだ……」


 そう言って、俺はフロストと長時間話し合うことになった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 俺は今、フロストと1階に居る。


「建築に使う材料は、ここにあるもので十分足ります。海皇様の魔力ですと、一瞬で終わるはずです」


「そうか。ご苦労だったな、フロスト」 


 俺が今からすることは、1階の改装だ。何故かというと、この神殿を徘徊したときから思っていたのだが、どう考えてもこの迷路ゾーンは要らない気がするからだ。


 これはカルラと朝食をとっているときにも考えていたことだった。迷路ゾーンは無駄だから、何か他のことに使えやしないか? と。


 そこで、俺は誰かに設計図を作らせ、必要な材料を計算し、1階の大改造をしようと決めたのだ。


 もちろん内装は俺が考えて、フロストが調整をした。その話し合いの中で分かったことは、この世界には『ビルド』や『リフォーム』という便利な魔法があるということ。これはその名の通り、建築したり、リフォームしたりするだけだから、魔力さえあれば誰でも使えるらしいのだ。


 故に建築士や大工は需要がなく、仕事にもならないのだとか。魔法ってスゲー。


 とにかく、俺は魔力を膨大に持っている海皇なのだ。その力で『ビルド』を使えば、そりゃあ城の1つや2つ、建てられるに決まっている。だから俺が自ら魔法を使って改装しようというわけだ。


 さてと……海皇になって初めての魔法だ。部下も見ている手前、失敗はできない。


 俺は全ての神経を集中させる。目を閉じて感覚を研ぎ澄まし、どうリフォームするのか、頭に浮かべる。


 息を吸って両手を開き、魔法を唱える。


『リフォーム』


 すると、俺の体を中心にして、光が生まれる。その光は次第に強くなりながら、神殿の1階を照らしていく─────。


 何秒ぐらい経っただろうか。目を開けてみると、そこには今までのような薄暗い迷路はなく、明々と燃える松明が並び、きちんとした廊下が敷かれ、その周りには倉庫や、宿舎などが建っている。


 おお、本当に設計した通りだな……。この範囲を一瞬でリフォームできるとは、さすが海皇だな。


「さすが海皇様。材料もピッタリ使い切りました」


「うむ、それではここに武器や食料、その他の物を全て収納せよ。そして、全ての門に必ず4人以上の見張りを置き、常に警備を怠るな」


「はっ! では、神殿にいる兵士達に伝えて参ります!」


 そう言って2階へ上がっていくフロスト。それにしても成功して良かった……。面目は保ったぞ、海皇。


 ちなみにどういう風に改装したのかというと、1階のほとんどを倉庫と兵士達の部屋にしたのだ。そうすれば、もっと多くの物資や人を収納することができるし、門に行くのも簡単だから、出入りが楽だ。


 門は元々、東西南北それぞれに設置されていたが、スティアに行くための北門以外は、全て封鎖されていたらしい。しかし、今回の改装によって全ての門が開放されたから、門番を増やさなければならない。まあ、それは大丈夫だろう。


 廊下は碁盤のように設計したから、縦横に等間隔で敷かれている。さらには2階に続く階段も増設し、通行の不便さを解消。これだけやれば良いだろう。


 何故こんなことをしたのか? ……ここだけの話、この神殿を出るにあたって何もせずに行くというのは、罪悪感が残るからというのが主な理由だ。だから、せめて部下達に良いとこを見せてから出て行こうという、とても勝手な計画なのだ。そんなこととは知らない部下達には申し訳ない。


「さてと、このぐらいでいいかな。後は海底祭を待つのみだ」


 そう言って俺は部屋に戻っていった……。


まだ海皇パートでございます。

他の人達のことを忘れてたとか、そういうわけでは無いです。はい。


(6話目で初めて主人公が魔法を使うとかどんな作品だよ)


書いてる途中に自分で思いました。

カタツムリのように話がゆっくり……かといって適当に流すのも……。


てことで(何が)次回!祭りに参加します!

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