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海皇やるのも楽じゃない  作者: 坂鷹孝佐
4/17

部屋を探します!

4話目です。

タイトルを変えました。

それと、少し長めにしてみました。

 翌朝。海底神殿の中を夜な夜な徘徊していた俺は、ついぞ自分の部屋を見つけることはできなかった。理由としては、ここが広すぎるうえに、まるで迷路のように入り組んでいるからだ。仮にも海皇の拠点だから侵入しにくいようにだろうが、それにしてもデカい。


 昨夜分かったことは、神殿内部は階層構造であり、窓は一切ないこと。海底にあるならそれはそうだ。そして自分はまだ1階から3階までしか探索できていないということ。


 そして1階に部屋はなく、大きな迷路ゾーンであること。2階は書庫や武器庫がほとんどで、3階から兵士達の部屋があるということ。ちなみに今は次の階へ続く階段を探している。


 それと、あの大広間は2階と3階を跨いでふきぬけであり、『玉海の間』という名前であること。恐らく縦の大きさからして、4階も跨いでいるはずだ。


 すなわち、4階も存在しており、目算6階建ての神殿だと言うことも分かった。なぜ6階建てと言うかというと、1階の広さは凡そ600メートル四方で、2階は凡そ500メートル四方、3階は凡そ400メートル四方だと言うことが分かり、必然的に最上階は100メートル四方の6階建てとなっていることが分かったからだ。しかし迷路ゾーンは計測するのに時間がかかった。誤差も出ているだろう。

 

 あくまで予想だからハズレても良いけど。外から見ると階段状のピラミッドみたいに見えるはずだ。ん? そんな建物、地球にもあったような……名前なんだっけな。


 そんなこんなで未だに徘徊中で、そろそろお腹も空いてきた。精神的にも疲れてきたし、自分の部屋に行きたい。しかし、肝心の4階への階段が見つからない。うーん、中心にあると思ったんだけどな……いつまでもうろうろしてたら、兵士達に見付かりかねない。いや、見付かってもいいけどさすがに驚かせてしまうだろうし……。


 あ、いい作戦思い付いた! 誰かに連れてって貰えばいいんだ! うーん、しかしどうやって案内して貰うか……普通に頼むのは駄目だな。怪しまれることこの上ない。『今、俺の部屋を探してんだけど、何処にあるか知らない?』とか王様に聞かれたら、誰だって『は?』ってなるよ。絶対。


 そこは上手い具合に騙すしかないな……。どうしようか……。


「これは海皇様! おはようございます」


「……ん? あっ、おうフロストか」


 突然後ろかけられた声に反応が遅れたが、振り返って返事をする。一瞬素が出てしまったが、まあいい。タイミングがいいな、フロスト!


「はい。兵士達の様子を見に来ました。海皇様はどんなご用事でしょうか?」


 自分から聞いてくれるとは! さすが優秀だな!


「おお、そうだ。お前に用事があるのだ」


「私に……ですか。分かりました。なんでも言いつけ下さい、海皇様」


「いや、実はな……」


 よし、ここから話を持っていくか。


「……うーむ、この場所では少し言いにくいな。私の部屋にまで来て欲しい」


「……! それは個人的な話でしょうか……?」


「まあ、そういうことだ。とにかく……」


「承知しました。それでは参りましょう。海皇様のお部屋でよろしいのですね?」


「ああ、そうだ……」


 俺がそう言うやいなや、フロストは歩き出した。いやに物わかりがいいな……ありがたいことだが、少し心配だ。


 今のでバレてないだろうか……そもそも部下の後ろをついて行く王様っているのか?いや、そんなこと思っても仕方ないな。今は道のりを覚えることに専念しよう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「着きました。海皇様」


 あれからフロストについていくと、あっさり自分の部屋に着いた。名前はそのまんま、『海皇の間』だった。そして予想通り6階建てだったし、道順も覚えた。最初からこうすれば良かったな……。後悔先に立たず。


「ご苦労だったな。さあ入れ」


 言いながら扉を開けると、そこには中々広い空間があった。

ここが自分の部屋なのか……後でじっくり観察しよう。それよりも今はフロストをどうやって追っ払うか……。ここまで案内させておいてどうかと思うが、背に腹はかえられない。


 とりあえず俺は椅子に座り、フロストも座らせる。


「それでは海皇様、用事というものは……」


「うむ、それについてだが」


 適当にカルラのことにするか。その方がボロが出ないだろう。


「昨日の夕方にカルラが来てな。今後のことを話したのだ。確か、あの報告書はお前がまとめたんだったな?」


「は、はい!何か問題でもございましたか……?」


 恐る恐ると言った表情で聞いてくる。そんなに怯えなくていいんだが……。


「いやいや、逆だ。よく手短に、分かり易くまとめてくれたな。カルラには、お前に礼を言うようにと伝えたぐらいだ」


「本当ですか! ありがとうございます!」


「わざわざここに呼んだのも、このことを言いたかっただけなのだ。すまないな、手間を取らせてしまった」


「いえいえ、海皇様からの直々のお褒めの言葉、身に余る光栄でございます! これからも精進して、お役に立つ所存です!」


「うむ、頑張ってくれ給え。話はそれだけだから、下がってよい。今日の夜の会議も頼むぞ」


「はい、承知しました!失礼いたします!」


 そう言ってフロストは部屋を出て行った。きちんと一礼していくあたり、とても行儀がいい。


「ふう~……」


 やっぱり自分の部屋と決められた場所は落ち着くな。


 ここまで長かった……と言ってもそこまで時間は経ってないはず……。しまった、急に眠気が……いや、もう寝よう。仮眠をとって会議に備えよう……。


 俺は椅子に座ったまま、眠り込んでしまった。


今回も読んでいただき、ありがとうございます。

見通しが甘く、タイトルを変えてしまいました。

紛らわしいことをしてすみません。

次から会議です。


次回 会議に参加します!

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