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ヒカリの王国  作者: SHINON
6/11

レベルを上げましょう




「なんも考えてないよ〜」



ヒナタは満面の笑みをユウヒに向けた。


友だちになるだけでヒカリの羽と交換。

確かに裏がありそうな話だけど…



「…お前の言うこと信じられるか」



「ユウヒだって気付いてるだろ?

ヒロヤはこの世界に不利なの。

はやく現実世界へ戻すべきだとボクは思うけどね」


「…」



ヒナタはヒロヤ君のことを考えて言っている。

私もこの世界は良くないと思う。



「ユウヒも知ってるだろ?

ヒカリの羽はパーティ内で受け渡す事はできるけど、それ以外は受け渡す事ができないって」




???


それはどういう事だろ??



「…他のアイテムは、パーティじゃない人間にも受け渡すことが出来るけど、羽だけは例外なんだよ」



不機嫌そうにユウヒが答えた。

私がわからないって察してくれのかな??


羽を手に入れるには、必ずクエストに参加しなければならないという条件があるという事だ。

…それはこのゲームが弱い人は、この世界に居続けなければならないということに等しい…


そんな中で、弱い人間は強い人間とパーティを組み、クエストをクリアする必要があるんだと思った。



…でも、弱い人とパーティを組みたいと言う人なんて普通いないよね??

弱い人はそれなりの対価を強い人に支払わないといけないんじゃ…??


そう思うとヒナタの提案は、初心者の私やヒロヤ君にとってはかなり嬉しい事だ。



「それで廃墟に行こうと思う。

マリカとヒロヤを連れて。」



「は?マジで言ってんの?

あそこは初心者が行くような所じゃねーよ。

2人が出戻りになるのが目に見えている」



廃墟ってそんなに強い所なの??



「そこでだ。

ユウヒもその時だけでいいからパーティ入らないか?」



ヒナタが言った。



「お前と一緒のパーティとかないわ」



「はぁ。お前は思わないの?

この世界にヒロヤ君がいちゃいけないって」



「……それはわかってる。

アイツはまだ幼すぎるから

クエストはクリアできない。

…俺が言いたいのは、

お前のメンバーが信じられねぇんだよ」



メンバーを信じられないって

ユウヒはどうしてそんな事思うんだろう……?



「羽を1つ見つけたら、

1人だけ現実世界に帰れるんだ。

早く現実世界に帰りたいって思っている奴なんて山ほどみてきた。

だからこそ裏切られるとは思わねーのかよ。

……裏切られた場合を考えてみろよ。

そんな危ない地帯に初心者を

2人もいれるなんて俺は反対だ」



ユウヒは第1に私達の安全を考えてくれてるんだ……



「裏切られるとか、わからないじゃん」



「お前は人を信じすぎるんだよ。

羽は俺が見つけて俺がヒロヤに渡す。

それが一番じゃねーのか?」



「……確かに羽を巡って

プレイヤー同士の戦いが過去にあった。

死んでしまえば忘れえてしまうから、

それは簡単に行われる殺し合いだったよ?

でも、それを防ぐために

今はプレイヤー同士のバトルは禁止になってる。

バトルをした場合ペナルティーが発生するようにね。だから裏切りするようなやつはいないよ?」



「………」



「どう?マリカはボクのパーティに入ってくれるでしょ?」



答えないユウヒに問いかけるのをやめて、

ヒナタは私に問いかけてきた。



「…私は弱いけど、現実世界に戻る手段が欲しい。…だから入るよ、パーティ」



「だってさ、ユウヒ?」



ニヤニヤとヒナタがユウヒに言った。



「…あーわかったよ!ったくなんで俺が」



イラつきながらも、承諾したユウヒ。



うん、ちょっと怒り気味だけど

みんなでクエスト行けるならそれが1番だよね??


ユウヒは何だかんだで、面倒見がいいみたい。




「そのまえにボス戦が初バトルじゃ心配だから少しマリカには強くなってもらわなくちゃね」



ヒナタがいつもと違う、意地悪な笑みを浮かべた。



「おー。珍しい。

それは俺もヒナタに同意だね」



「え、?」




こ、この空気は…

あまりよろしくないような気がするのは

私だけでしょうか…??



その後、プリーストの試練クエストである

薬草の調達をクリアし銀の鈴を手に入れ、私達はセントラルの掲示板の前まで戻ってきた。



相変わらず、掲示板の周りにはたくさんの人だらけ。



「んー。初心者プリーストが行けて、早くレベルを上げられるクエストは〜」



…なんか、かなり視線を感じる。



「あれ、光のヒナタだよな?」


「あー。光のヒナタだ。」



周りの人達が小さな声で“光のヒナタ”と口にしていた。


ヒナタはかなりの有名人なのかな??


それなのにヒナタは普通に掲示板をみている。

聞こえないのかな??



「んープリーストと召喚士のレベル1だと、一緒に行けるクエストもなかなか見つからないね〜」



レベルってそんなに大事なんだね。

ゲーム初心者の私にはわかりません。



神の声さん、神の声さん。

レベルについて詳しく説明してください。


そう、心の中で呟くと



ピロロローン


レベルとは1~100まであり、経験値を貯めるとレベルが上がります。レベルが上がるにつれ、HPが増えたり魔法の威力があがり、さらに使える魔法も増えるます。

つまり、レベルが上がると強くなるので、行けるクエストも増えます。



へぇ〜。

なるほど。


ゲームの世界って、とてつもなく便利です。



「てっとり早くレベル上げとなると、

どこにすっかな〜〜〜

どうせなら欲しいアイテムが落ちる所がいい」



なんでユウヒが1番楽しそうなのよ……

私はいくら強い2人が一緒って思ってても、ものすごく怖いんだけどっ



「プリーストと召喚士が行ける所

本当にないみたいだね。

これは手分けしてやる??」



ヒナタも悩んでるみたいだけど、私とヒロヤ君にはさっぱりだ……


ここはもう2人に任した方がいいよね




「あれ?もりかしてマリカ??」




ん?聞き覚えのある声だ。



振り返るとそこにいたのは




「おおおおおおお、お兄ちゃん!?

どうしてここに?」



「え?」「は?」



私の声に驚いたヒナタとユウヒ。



「マリカがお世話になってます〜」


「フウタさんの妹だったの?!」



ヒナタはびっくりした表情。



「うん」


「フウタさんはパーティのメンバーだよ」


「え!?」



衝撃の事実。お兄ちゃんがいるなんて……



「あ、お兄ちゃん!!

お母さんが夕食できたって言いに行ったんだよ

それで私呼びに行ったのに、ここに来ちゃったの」


「…あー。なるほど。

それであのソフトに触っちゃったのか。

ゲームのCMお前の大好きなアイドルが

宣伝してたもんな。

なんかあのソフトに触ると

ゲームの世界に吸い込まれるみたいだぜ」




…これじゃ夢っていう線はもうほとんど無くなってしまったのね。


ゲームの世界って信じたくなかったのになぁ。




「それでマリカ達は何してたの?」



お兄ちゃんは私たちをじっとみた。

フードをかぶったままのユウヒは

嫌そうに顔が見えないように

そっぽを向いてしまったけど。



「レベル上げを手伝っていただこうと」


「へ~。なるほど。

確かにプリーストと召喚士を同時レベル上げとなると場所を選ぶね……。

あ、そうだ!これからちょうど召喚士の友達と一緒にクエストする予定だったから、その子俺にあずからせてもらえる?」



「え??……ヒロヤ君どうする?」



私は後ろに引っ付いているヒロヤ君に聞いてみた。

お兄ちゃんならヒロヤ君任せても安心だし、効率よくレベルが上がるなら私は賛成かな



「やだ。マリちゃんと一緒がいい」



ヒロヤ君が私の後ろに隠れた。

お兄ちゃんを少し警戒しているようだ。


「そーだよな。

マリカにかなり懐いてるんだね」


「そうみたい」



でもどうしよう。

効率よくレベル上げするにはお兄ちゃんの力が必要なんだよね……?






「…お前さ強くなりたいか?」



そっぽを向いていたユウヒが

ヒロヤ君に視線を合わせるためにしゃがんだ。



「う、うん」


「コイツを守るためにも、強くならねーといけねーだろ?

早く強くなるために

お前はどうするべきだと思うんだよ」


「ちょっと、ユウヒ」



そんなに強く言ったら…



「わかった。僕この人と行って強くなる」



ヒロヤ君が私と繋いでいた手を放した。



「よくわかってんじゃん」



ユウヒの大きな手がヒロヤ君の頭を撫でた。



へぇ。そういう所もあるんだ…



「それじゃ決まりだな。

マリカ、また後で会おう」



お兄ちゃんがヒロヤ君の手を繋いだ。



「マリちゃんまた後でね~」



私はヒロヤ君とお兄ちゃんを見送った。



「さて俺達はどこへ行こうか」



ヒナタが再び掲示板に向き合い

どのクエストか悩んでいた。



にしても、掲示板がデカイぶん

表示されてるクエストも大量で選ぶのが大変なんだよね。



「どこでもいいだろ?

連れて行くの支援魔法使いだから

俺たちが行きたいところへ行けばいい」



相変わらず俺様なユウヒと



「その相手の気持ちを考えない発言直した方がいいよ?」



非対称なヒナタ。



「お前に言われたくねーよ」


「んー。

マリカに合う防具や武器がドロップするようなクエストにしよっか」



ドロップ??


ピロロローン


ドロップとはモンスターを倒した時に落ちるアイテムのことです。




あ、ありがとう。

なんか勝手に神の声さん発動したね。



「人魚の城って、お前が勝手に決めるなよ

行くなら西の魔女の家だろ??」


「じゃあ!マリカに決めて貰おっか」



ユウヒが勧める魔女の家と

ヒナタが勧める人魚の城。


どっちがいいなんて私にはわかりません。



「そうだな。アホマリどこがいい?」



2人が振り返って私を見た。

……これは重要な選択??



「んっと、じゃあ両方」



どちらかって言われても決められないよ



「ふっ。お前欲張りだな」


「強くなる為には欲張りくらいがちょうどいいよ。

じゃあまずはユウヒの言っていたクエストからやろうか。

マリカ、両手で四角を作ってみて?」



ヒナタが親指と人差し指で長方形を作って見せた。



「……俺先行ってるぞ。GO」



シュッ



ユウヒが瞬間移動した。



「アイツは本当、集団行動が苦手だよね~」


「そ、そうだったんだ。でも面倒見はいいよ」


「え?ユウヒが?意外だな……

マリカだからかもね」



…私があまりにもドジすぎるからかな、??



一度やった事のある瞬間移動。

親指と人差し指で四角を作り一言唱えるだけ。


…正直これなれない。



「GO   ぎゃぁ」



シュッ  ドスンッ



「痛たたた」



おもいっきり尻餅ついちゃったよ。

やっぱり、これなれないーっ!!



「うわっ。

ちょ!お前いいから動くなよ」


「え?」



動くなと言われたのに

私は声をした方を振り向いてしまった。




ピロロローン


モンスターのターゲットがマリカさんに移りました。



「え!?!?!?」



突然現れたウィンドウの表示に驚いて声を上げてしまった。



「おい!バカか!動くなって言っただろっ」



どうやら私はユウヒとモンスターが戦ってる

ど真ん中に瞬間移動をしてしまったらしい。


前にはナイトの格好をしたモンスター5体、後ろにはユウヒという状態だ。



シュッ



「おまたせーって、あれ??

何でマリカあんな危ないところいんの?」


「知るかっ。アイツがバカすぎるんだよ。

いいからお前の魔法使ってやれよ。

俺の魔法じゃアホマリを巻き込むし」


「わかってるよ」




うううう……。

私はついに死んでしまうのね。


っても死ねなくて記憶が無くなるだけだけど。


記憶を失いたくないな……

もしここで死んでしまったらユウヒもヒナタも友達解除しちゃうかな?


…でもジルに会えるね。

まぁ会ったところで激おこされそうだけど…。



ガシャン    




ガシャン   




ガシャン 





ゆっくりと一歩ずつ

ナイトモンスターが近づいてくる。

その手には丈夫そうな盾と大きな大きな斧を持っている。

あれを振り下ろされたら、ひとたまりもないだろう。



腰が震える。

足なんてがくがくだ。

動けない…



たかがゲーム。

ゲームのはずなのに怖くて、動けなくて

ただ殺されるのを待つしか出来ない



この世界はおかしいよ……



「光よ、………………」



ヒナタの声が遠くから聞こえた。



その途端背後からきた真っ白の光線が伸びてきて5対のモンスターを包んだのだ。




「アホマリ、今なら動ける!

早くこっちへ来い!」



ユウヒの声が聞こえるけれど、ブルブル震える足じゃ立てなくてそこから動けなかった。

体が言う事を聞いてくれないっっ




ガシャンッ






ガシャンッ





「っ嘘でしょ!?」



モンスターは光線を受けたにも関わらず、一歩ずつ私との距離を詰めてきた。




「もしかして腰が抜けちゃったのかな?」



動かないマリカをみて、ヒナタが言った。



「はあ?

アイツはどんだけ手がかかるんだよ

ったく、しょーがねぇなぁ」



ユウヒがマリカのもとへ走り出した。




ガシャン 




ガシャン 




ガシャン





「やだっ。来ないでっ」




ガシャン




ガシャン




ナイトモンスターはマリカの前で立ち止まり、大きな斧を高く持ち上げた。






私は強く目を閉じる事しかできなかった。












「炎の神よ、今ここで紅の剣に力を与えたまえ。全てを焼き尽くす力…」




耳元でユウヒの声が聞こえた。




…え?




目をあけると私の首にユウヒの腕があった。


あれ?私って今ユウヒの腕の中にいるの??



ちらっと見えたユウヒの左手には大きな紅色の剣。





そして




「……… コンバースト」




ブオオオオオオオオオ










ユウヒが一言唱えた瞬間

目の前が一瞬にして火の海になった。




…これがユウヒの力なの?



間近で炎の海を見ているのになぜか熱くない。


気圧の変化で強風が私達を包むけれど、

それも熱くないのだ。


目の前のモンスターのゲージは

一瞬にして5体とも0になり体中にヒビが入った。





パリーーーン





ナイトモンスターは砕けて消えたのだった。






「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」




耳元でユウヒの息をする音が聞こえた。



「大丈夫~?2人とも」



透明なガラスドームに包まれて走ってきたのはヒナタだ。



「…うるせぇ。はぁ…はぁ…」


「あんな雑魚に全力で攻撃するなんて、

やりすぎなんだよ〜

これじゃボクまで焼き殺されるじゃん」


「ふっ。勝手に死んどけ」



ここまで無茶させてしまったのは私のせいだ。



「ゆ、ユウヒ。ゴメンもう大丈夫だからっ」



ユウヒの腕の中にいるとユウヒが辛そうだった。

だから私は彼から離れようと思ったのだ。



「ちょ、バカ動くなって」



ぎゅっ





え!?!?

更に強く抱きしめられてる?!?!?!



「あーもう。はぁ…アホマリ」


「マリカ、今はユウヒの腕の中にいたほうがいいよ。じゃないとこの熱風で死んじゃうよ。」


「え?!?!」


「ユウヒの炎は強烈だからさ。

今安全地帯はそことボクのバリアの中だけだね」



あ、だからヒナタはそのドームのなかにいるのね。



「ほんと、世話がかかるよな」


「…ごめんなさい」


「でも、まぁ一気にこの城にいるモンスター全部倒したからレベル上がるんじゃないの?」



にやにやするヒナタ。



え?城中にいるモンスターを…?




ピロロローン



私の目の前にウィンドウが現れた。



マリカさんレベルアップおめでとうございます。


プリーストレベル1→レベル53

倒したモンスター数1800体

ドロップ数 1000アイテム




「ひょ~驚異の53あげだね」



そのウィンドウをヒナタが覗いて驚いてる。




レベル53??

私何もしていないのに…


てか1800体ってなにこれ??

どこに1795体いたのよ?!



「まーまーだな」



息が整って来たのかユウヒが笑って見せた。



「あ、ユウヒのおかげで

ボクとたくさんアイテム落ちた〜」



ヒナタのもとにもウィンドウが出てきて

彼は嬉しそうにしていた。



「っち。お前のためじゃねーっての」



…にしてもあの西島君に抱きしめられてるんだよね。ユウヒの本性を知らないあの頃の私なら気絶してたなこの状況。



「あーーーねみぃ」



「そりゃ、

あんな膨大の魔力を一気に使えばね」



耳元で話してユウヒは私の首に顔を埋めた。


そういえば、店主が言っていたな。

MPを使いすぎると眠くなるって。



にしても……

ううう…この状況は。

でも腕から抜け出した死んでしまうし…。


これいつまでなの?



よくわからないけど、

心臓がざわざわしてうるさくて


心臓の音がユウヒに聞こえてしまうんじゃないかって心配になった。



「あれ?ユウヒ手ケガしてる」


「あぁ。斧振り下ろされた時、掠ったんだな」


「うう…。まじでごめん」


「ま、埋め合わせはしっかりしろよ体で」


「は!?」



この男は何を言ってるんだ!?




ピロロローン



再びウィンドウが私の目の前に現れた。


マリカさんおめでとうございます。

新しい呪文を唱えることができるようになりました。



「へ~プリーストってこんなに呪文あんだな」



後ろからユウヒが画面を覗いた。



「あ、マリカ早速呪文使って

ユウヒのかすり傷直してみたら?

まだこの火の海状態だと動けないしね〜」



ヒナタがすかさず言ってきた。



「やってみる」



私はデータ化された杖をだした。



えっと確か…

やりたい事を念じて杖を持つと、それに合う呪文が頭に浮かぶんだよね。

それを唱えると形になるってヒナタが言ってたな。



ふぅ……


私は小さく息を吐いた



ユウヒのケガを治したいの

お願い魔法を使わせて



「……水の神に秘めし杖よ、今我に癒し力を与えたまえ。セイレーンの力アクアヒール」




ふわ――――ん



水色の光がユウヒの擦り傷に当てられ傷は跡形もなくなくなった。



よかった!

私ちゃんと魔法使えてるよ!

うそ夢みたいっ




「さんきゅ。もういいぞ」


「う、うん」



あ、あれ??

魔法ってどうやって止めるの!?!?


止める呪文、頭に浮かんでこないよ??



「マリカ?」



私の異変にいち早く気づいたのはヒナタだった。



「ど、どうしよう。止め方わからないっ」


「おい、待った!

お前HPだけじゃないぞ、コレ

MPも俺の中に流れ込んでくるんだけど」


「M?MP??」


「マジックポイントって言って魔法を使うのに必要なんだよ」



自分のゲージをみるとHPは満タンなのにMPはどんどん減っていってる。そしてユウヒのMPが少しずつ増えていくのだ。


私のMPをユウヒに渡してるって事でいいのかな?



「ちょ、お前歩けなくなるぞ」


「んな、事言われても光が消えないの!!」



MPがなくなればさっきユウヒが言っていたように眠くなるんだ


死ぬことはないと思うけど


…やばいそんなこと考えたら眠くなってきた。




私のMPゲージはどんどんなくなって、

ついに0になってしまった。

そこで魔法は途切れ意識を手放した。




「あちゃ、使い切っちゃったね」



ヒナタがマリカのゲージを見て言った。



「コイツアホすぎるだろ」


「でもユウヒ元気になったね。

これもマリカのおかげじゃん」


「寝てるし…ったく運ぶの俺かよ」


「俺はここから出たら溶けて死んじゃうからね」



そんな会話がされていたなんて

眠っている私は知らなかった。




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