影の告解
夢を見ていたの
それは鈴と鐘の織り成す夕べ
冥府の黒い影が
明日について囁く
誰も知るべきではない世界について
影は告げる
あなたの秘密を
影は叫ぶ
あなたの往く手を
わたしは耳を塞ぐことを忘れて
すべてを知ってしまう
あなたにとってのわたしを
望みを口にすると
あなたの翅はもぎ取られてしまう
この地上では
偽りしか救うことができないこともある
夢を見ていたの
あなたが夜風の中を歩いている
巨大な月が輝き
あなただけを照らす
唯一あなたのみを浮かび上がらせる
影が見るのは
あなたの真実
影が伝えるのは
あなたの希望
わたしは眸を閉じることもできず
すべてを見てしまう
あなたにとってのわたしを
あなたにとっての世界を
アンブロシアーナ作『波間歌集より「影の告解」』
アンブロシアーナが道化師によってジグリットの秘密を知ったときの歌。
多分、5巻か6巻? でアンブロシアーナが歌っていたような・・・。