78話【バカ売れでアイス】
篠川達はバレー部の記事を製作する為、体育館へ向かっていた。カメラ片手に体育館へ歩き、扉を開けた。そこには珍しく何故か、美和の姿もありバレー部の練習試合を2階席から観戦していた。携帯電話を片手に何かを話している。
篠川班が到着して数分後______試合中にも関わらず、ホイッスルが鳴り選手達は中央へ集合する。
篠川班はカメラを持って、集団に混ざり人混みをかき分け何があったのかを確かめる。そこには、バレー部のエースの選手が倒れていた。足を抑え、蹲っている。
篠川班の1人、三つ編みメガネは大きく叫ぶ。
「なにが、あったんですか!」
すると、1人の生徒が、
「試合中、廣瀬君がいきなり倒れたんです!」
WSの廣瀬という生徒だ。マネージャーと思われる生徒が説明をしていく。
なにがあったんだ?何故?どうして?
その時、短髪の生徒が前へ踏み出す。
「大体、見てた。俺がまずサーブを打ってその後、向こうがボールを返して、コイツが打ち返そうとしたんだよ。そうしたら、隣から青垣が飛び出して打ち返しやがったんだ。お陰で廣瀬はバランスを崩してズドン、落ちたんだよ」
この生徒の言うことが正しいとすると、青垣という選手が原因になるかも知れない。
「青垣って誰?」
三つ編みメガネが、頬をピンクに染めて青垣を探し始めた。青垣という選手は、人垣の中からヨロッ、と背中を押され輪の中心に出てくる。しかし、
「俺じゃ、ない!廣瀬が………かっ、勝手に倒れたんだよ!」
そう言うと、輪から抜け出て荷物を持ち体育館を出て行った。
三つ編みメガネは大きく、溜息をつき廣瀬に肩を貸した。
篠川も、慌てて肩を貸し、歩き出す。
まぁ、事故ってことで良いか。
どちらにしよ、華山の好きな話だ。
そう思いながら保健室まで歩いて行った。
白いベットに廣瀬を座らせると、2人は部室、コンピューター室へ戻る。
そして華山にネタを話すと、目を輝かせ、
「いい、いい!珍しくいいネタ持ってくるじゃなーい!記事を書く時は、レギュラーを狙った選手の憎みの犯行とでも書けばいいわ!この新聞がバカ売れしたら、部員達に、全員にアイスでも奢るわ!」
その言葉にさっきまで真面目に作業をしていた生徒が目を輝かせた。
そして、篠川と三つ編みメガネに向かって期待の目線をブっ刺してくる。
「よっしゃあ!で、何部売れたらいいんだ?」
「ん?そんなの分かり切った事じゃない。800部よ」
篠川は危うくカメラを落としそうになる。
はっぴゃくぶ!?
全校生徒の約2分の1も売らないといけない計算!?
そうなると、面白い記事を書かなければ_______




