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73話【忍び寄る悪魔】

あっという間に時間は過ぎ、電話が鳴った。雪が受話器を取り、何かを話している。

『お時間10分前です』

「はーい」

雪は元気よく返事をして受話器を戻し、ソファーに腰掛けた。そして凛の方を見ると、まだ脚をあげて体育座りで大きく欠伸をしていた。お陰で見えっぱなしで、雪の頭の中は爆発を繰り返していた。(言ったらマズイよね、見てたってことバレるし)ウゥぅ、と唸りながらドリンクをガブ飲みした。


10分はすぐに過ぎていき、二人は立ち上がり机の上を片付け始めた。立ち上がると、スカートは直り雪は胸を撫で下ろした。ゴミなどを袋にまとめ、部屋を出る。廊下をパタパタ、と歩き入り口付近のカウンターへ向かう。そこで雪が会計をしている間、凛はロビーをグルグルと回り、中を眺めていた。


会計を済ませた二人は店を出て、近くに止めてあった自転車に荷物を乗せて雪が乗り、その後ろに凛が乗った。暗い闇に包まれた夜道を自転車は走っていく。安全運転、安全運転と心の中で復唱しつつ雪はペダルを漕ぐ足に力を入れた。


凛を寮まで送り届けた後、雪は帰る予定だ。学校横の坂を息を切らしながら登っていく。ブゥンブゥン、という音が鳴り、虫の声も聞こえた。

「雪くん、ありがとう」

「全然大丈夫。俺の家結構近いし、自転車で飛ばせば1分程度だから」

雪はそう言って坂を登りきり、白い量の建物の前で華山を降ろした。そして手を振り、自転車に乗り坂を下っていく。シャー、と風をきる音に快感を覚えながら2つ目の角を曲がりそこから2軒目の自宅の前に自転車を止めた。そして鍵を掛け自転車を倉庫へ運ぶ。その時、庭の茂みから不審な音が聞こえ雪は振り向いた。


ガサガサッ、ガサッという草をかき分けるような音がする。野良猫でも入り込んだのだろうか。そう思って近づいていく。野良猫であれば追い出そうと考えていた。蛇が入ったのであれば駆除を要請しようと考えていた。茂みの中に入って行った時、ドスッという音がして背中に衝撃を感じた。

「あっぐっ……」


背中に手を回すと、ヌルッという感覚があり雪は悟った。{殺される!}一体誰が俺を殺そうとしているのかは分からない。けれども、それだけは分かり雪は駆け出した。息を切らしながら元来た道を引き返していく。幸い致命傷ではない傷だった為命に別状は無かった。角を曲がり、学校へ走っていく。そこならば、助けを求められるかもしれない。しかし電気は付いていなかった。そして門も開いていない。慌てて今度は寮へ駆け出した。このままだと、危ない。タタタタタ、と雪以外の足音を感じ振り向くとさっきの人間が雪の後を追いかけてきていた。


なんで俺が殺されなければならない。死にたくない、凛と一緒に居たいし仲間と過ごしたい。だから死なない。白い建物が見えてくる。雪は力を振り絞り、寮へ走った。数秒後、寮へ到着すると銀色のドアノブを握った。案の定開いている。しかも1階には人が集まっていた。リビングには凛の姿もある。雪は寮の中へ倒れこむように飛び込んだ。その瞬間、悲鳴が上がり雪は悲鳴とともに気絶してしまった。リビングには凛の姿もあり、凛は雪に呼びかけ続けた。

「雪くん、雪くん、救急車を呼んで!早く!!」

寮の人間が慌てて受話器を取り、救急車と警察を呼んだ。数分後、雪は救急車に乗せられ追いかけてきていた犯人も同時に逮捕された。


救急車には凛も飛び乗り、病院へ運ばれた。寮は騒然となる。

「雪くん、刺されたの?」

「背中、真っ赤だったよ!」

「血だらけで飛び込んできたから、マジびびったわ」

「生きてるといいなぁ」

「雪の奴何があったんだ?」

と、生徒たちは騒ぎ立てた。





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