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71話【題名センスを磨きなさい!】


ムスッ、と篠川は膨れながらキーボードを打っていく。

叫ばない華山は面白くない。

これでは、どこにでも居る学生だ。

そして、華山は遅くまで残らなくなった。

すべて昼休みに仕事を終わらせ、5時にはちゃっかり帰っていた。

「ねぇ、篠川」

三つ編み眼鏡の少女が椅子をキコキコと鳴らしながら俺の方へ向く。

やはり、三つ編み眼鏡も華山の態度の急変に驚いているようだ。


「〆切の30分前でも、メールしてるんだよ?雪くんが原因だよね」

30分前でもメールとは……。

どんだけ余裕なんだよ。

手伝えよ、そんな事なら。

「あっ、そうそう。バレー部春高出るのが目標らしいじゃん。出られたらいいよねー。今まで予選敗退だったし、強豪校とは言えない私達の学校が春高へ進めたら」

「そうだな」

春高=春の高校バレー。高校バレーボール選手権大会の一つだ。冬のインターハイバレーボール大会が今は春高の相性を引き継いでいる。開催時期は1月になっている。まだ、遠い夢のような話だがいつかはこの学校も叶えるのだ、その夢を。


その時、三つ編み眼鏡はいきなり椅子から飛び上がり、床にスチャッ、と着地した。

「ねぇ、今から春高目標のうちの学校の記録新聞をつくろうよ!」

その瞬間、生徒たちは立ち上がり、ネタが見つかったー!と叫び、メモとカメラを持って体育館へ走っていった。


俺も慌てて三つ編み眼鏡たちの後を追う。大量の新聞部集団は体育館へ走った。


ボンっ、と白いボールが宙へ上がった。Sがスパイカーに向かってトスを上げたのだ。そしてWSがスパイク。バシンッ、と床にボールが叩きつけられ、笛が鳴った。練習試合である。ライバル校を呼ぶ事はできない、というよりライバルと呼べる学校がなかった。その為、チームを分け今は練習試合を行っている。


新聞部の生徒たちは許可を取り、カウントダウン新聞の写真を撮り始めた。パシャパシャ、とシャッターが切られ選手たちが写真に収められていく。

「篠川、あのエース追いかけて!」

エーススパイカー?慌ててデジカメの電源を入れ、写真を撮る。


試合が終了すると、新聞部の生徒達は足早にコンピューター室へ帰っていった。そして、パソコンにデータを落とし新聞を書いていく。

勿論、新聞の題名は必死に選び、全38の案が出たが一つも良い案が出なかった。華山はイライラしながら、

「もっと良い案は出せないの?全部、しっくりこない」


生徒達は頭から煙を出すような勢いで紙に、黒板に、ホワイトボードに題名の案を書き続けた。しかしながら、題名センスは皆無く、「高校バレーボール」や、「練習中」などの題名しか出てこなかった。華山は机を蹴り、叫び続ける。

「もぉっと、心に響く題名をつけなさい!」


しかし、華山とはテンションの違う生徒達は、

「へーい」

と生ぬるい雰囲気を作り出す。もう、華山は耐えきれず、4時半に帰っていった。

去って行く間も、新聞部に向かってギャーギャー、文句を言っていた。いつの間にか、元の華山が帰ってきていた。

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