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62話【月曜日の雨の中で……】


月曜日


今日は朝から雨が降っていた。道路には傘を差した人達がバスを待ち、行列を作る。今日は、あの少女について聞く日である。

ビニール傘を差して歩いていたが、次第に雨が強くなり傘では歩けなくなってしまった。元々頑丈ではない為に、風が吹けばひっくり返ってしまう。


制服をビチョビッチョに濡らしながら玄関にやっとの思いで到着した俺は、空を見上げた。黒い雲が空を覆い、大地に銀色の線を落としている。

上着を脱ぎ、俺はタオルで雨を拭きながら雨の様子を眺めていった。


その時、パタパタと音がして玄関に少女が走り飛び込んできた。髪の毛から雫が垂れ、全身ずぶ濡れ。冬の制服も黒く変色していた……冬の制服?

ハッ、と俺は気がつき少女を見つめた。

長い髪に冬の制服。華奢な体型に小さめの身長。

間違いなかった、昨日の少女だ。


「お前さ、昨日の……」

俺が話しかけると少女はまた、ビクンと体を震わし頭に乗せたタオルで顔を隠していた。黄色いタオルからはほんのり柔軟剤の匂いが漂ってくる。

「ん?あっ、昨日の…」

少女も俺に気がついたようだ。しかし会話はそれっきりで、少女は足早に去っていった。去っていった後には髪の毛から流れ落ちた雫が落ちていた。

人見知り、なのだろうか。そうだと良いが、『避けられている』などという事であれば悲しい。


ふぅ、とため息をつきながら鞄を手に取り、靴箱から離れ、階段を上っていった。パタパタ、と音を立てながら上を目指す。

重い荷物に腰を痛めそうになる。その時、ペタッと音がして肩に何かが触れていた。

振り返ると、濡れた冷たい小さな手が乗っていた。

「え………」

ゆっくりと、顔を回転させ振り向けば、そこにはあの少女が居た。

「名前」

「え?」

突然言葉を発した少女に俺は驚く。

「誰」

「俺は、篠川」

「下の名前」

「………」

下の名前は同じクラスの生徒にしか教えていないのだが……。




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