4話【あれれれ?俺、こんなにダメでした?】
なんなんだ。俺は、どうなってしまったんだ?死んだはずの、涼だって生きてる。瀧本も生きてる。
俺の見てきた数年間、あれはなんだったんだ。確かに、2人の葬儀に出席したはずだ。
もし、こいつらが死んでいなかったとすると、俺は誰の葬儀へ行ったんだ!
『篠川くん!落ち着きなよ。変な夢でも見たの?授業ノート、寝てたからとってないよね?」
前の席の、セミロングの女子生徒がノートを差し出す。確かに、俺のノートは真っ白だった。
「お前、誰?」
俺の記憶の中には、いない人物のはずだ。
『篠川君、酷いよ。いくら、入院ガチとはいえクラスメイトよ?』
そうなのか………。そっと、その生徒のノートの名前を見る。
秋田美和
美和……か。しっかし、記憶が無い。どうしてだ?
「みっ……美和、ありがとう」
美和は、うん、と頷き前へ向き直った。なぜ、美和は俺を知っていて、俺は知らないんだーーーー!
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなり、授業が終了した。代数の授業だったが、全く頭に入ってこなかった。黒板に書かれている式は、魔法の呪文か何かだろうか?
『篠川君、ちゃんと解いてた?』
ノートを回収するとともに、俺のノートを覗き込む。ギョッと、した美和だったが、
『篠川君………真っ白じゃない。』
呆れたように、美和が俺のシャーペンを手に取った。えっ……///////
『ちゃんと取らないと、夏休み補習だよ?』
え?補習?そんなの受けたこと無いから、知らないけど。
俺は、現役の時は中間でも50番以内には入っていたし、クラスの副委員長でもあったんだ。なのに、そんなのあるわけ無いだろ?
『篠川君、次、授業変更でまた代数だって。』
美和が、手洗いから帰ってきた俺に報告する。
「まじかよ……」
ハンカチを、ポケットに戻し教科書を鞄から抜き出す。
『篠川君、分からないなら放課後でも教えようか?』
美和は、俺の方へ向き直り笑顔でそういった。いやいや、大丈夫です。はい。俺は、美和に「大丈夫」と伝えノートをまた開いた。
チャイムが鳴り、教師が入ってくる。瀧本?