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41話【美和の真実】

しかし、途中で占い師は手を止め、「やっぱりやめた」と手を放し、話題を変えてきた。

「砂時計、見つかりましたか?」

あっ、すっかり忘れてた。頬を抑えムンクの叫びのような顔をする。占い師は「ハハ」と笑いマントの下から手を伸ばしてきた。


そして俺の手に重ねてサッと手を放すと、いつの間にか俺の砂時計が戻ってきていた。マジック、なのか?

「これは・・・まぁ、そのうちわかるでしょう。一つだけ教えられるのは」

「なっ、なんだよ?」

篠川はベットからガバリと起き上がった。その拍子にタオルケットが部屋の隅に魔法のじゅうたんの様に飛んでいく。


占い師はニィ、と唇の端を吊り上げ俺に近づき耳の近くにそっと口を近づける。

「一つだけ、教えられるのは、次の掃除場所は『事務室』です」

「ハァ!?掃除場所?うわぁ~期待した俺が馬鹿だったよ」

篠川は頭を掻き、ベットにまた寝転がる。バフンとベットが揺れ、体が沈み込む。


「来週から、事務室の掃除ですから頑張ってください」

占い師は一瞬フードをずらし、俺にヒントを与えようとしたが篠川はベットの上ですでに寝ており微笑すると窓を魔術であけ、部屋に流れ込んできた風と共に去っていった。

篠川は細く目を開け、殺風景な部屋の様子を見渡した。

カーテンが風にたなびき、占い師の姿は消えていた。


「帰った、か」

占い師がいなくなると、窓を閉め小さく呟いた。

「事務室、か」




暗い部屋に、スポーツバックを持った男子生徒が帰宅してきた。

右手には懐中電灯を持っており、左手には砂時計が握られていた。

「・・・」

その砂時計を勉強机に置いて男子生徒は宿題を始めていた。



翌週


篠川は掃除当番だった。場所は占い師の言った通り事務室だった。グループの生徒と話し合い篠川はモップの担当になった。「話し合い」と言ってもリーダーの来美がほとんど決めているのだが。

「篠川、モップやってくれないかな?」

相変わらず、『決めたい人間』は変わっていない。仕方なく篠川はモップの担当になった。雑巾を手洗い場で濡らし、モップに挟む。足でクリップの部分を固定して瞬間技で挟むと篠川は事務室に戻っていった。


勿論、場所決めは来美が行う。

「篠川は、その棚のところからこの印刷機械のところまでね」

「はぁい」

雑巾をモップを担ぎ、篠川は印刷機械の前に立つ。その時、資料棚に古いファイルの中で目立つ赤いファイルがあった。(見ろって言われてるようだな)

篠川はファイルに手を伸ばし中をパラパラとめくっていった。

そこには生徒の名前が書き記されており、その資料の題名は、

『特殊入学生徒名簿』

と書かれていた。(これって・・・)慌てて内容を見ると、秋田美和の名前が入っていた。全、20名の特殊入学生徒=裏口入学生徒はほとんどが同級生。


「まじかよ」



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