30話【会社の企業秘密が漏洩?】
「ふわぁ」
欠伸をしながら、キーボードを打っていく。今は、会社用の書類を製作中。企業秘密も、一部含まれる。今は、夜の10時半。そろそろ、帰りたいなぁ。合計で、欠伸は100回ほど出ている。
いつもなら、帰宅途中もしくは家でゆっくりしているだろうか。ガチャガチャとキーボードを打つ音だけがオフィス内に響く。
「篠川君、半分終わらせたから後は頑張って」
背後のデスクから美和が立ち上がるのを感じた。俺は振り返り、
「もう、終わったのかよ!?」
と叫ぶ。動揺が隠せない俺を見て美和は(エンジェルの)笑顔を見せ、親指をビシッと立てグッジョブと合図を送り手の中にあったUSBメモリを渡す。
そして、空になった掌を俺に見せる。あっ・・・そういう事ですか。俺は、鞄を取り、財布から紙幣を出し美和の手に置いた。
「では、約束通り。じゃあ、残りは頑張ってね。あと、これ食べて」
そういって、カロリー〇イトを手に握らせた。財布に俺が渡したタクシー代と居酒屋代をしまいベージュのショルダーバックを持って帰っていった。
美和が帰るのを窓から見送り、またデスクに向き合う。画面を見ると、まだ半分も来ていなかった。(死ぬぞ、コレ)気が付けば、11時を回っていた。終電ももう終わってしまっただろう。寄りたかった店も閉まってしまっただろうし。持って帰っても、どうせやらないし。
俺は、眠気覚ましにキッチンに立ちコーヒーを淹れた。会社に置いてあった普段飲む種類は切れており、仕方なくキャラメルマキアートに。その後、貰ったカロリー〇イトを食べながらキーボードを打っていった。
またデスクに戻り、USBメモリに保存をする。キャラメルマキアートの入ったカップを手に持った時指が絡まりカップは180度に傾き、中の液体をキーボードにぶちまけていた。一瞬の出来事、一秒もたたない出来事に唖然としていた。
ハッとして画面を見ると、さっきまでの光は無くなり真っ暗だった。USBメモリにまで被害が及んでいる。
「う・そ・だ・ろ」
画面は真っ暗、USBメモリは水没。終わった・・・・。パソコンは、管理会社に連絡をしてUSBメモリは新しいものを使い、他のパソコンで一からやり直し、書類は完成させた。
「あっ・・・課長のパソコンに送らないと」
そう思い、マウスを手に取る。課長の名前を見つけクリックしようとしたとき何故か、ポルターガイストでも起こったのか画面が上に動きその下にあった他の取引会社の名前をクリックしてしまった。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
会社の名前を見ると、誠の働く北海道の会社名だった。
「オワタ」
急いで電話帳から「大河誠」の名前を探し出し電話をかける。呼び出し音が3回なった後、
〈只今、電話に出ることが出来ません。ピーと鳴りましたらお名前と御用件をどうぞ・・・〉
嘘だ。嘘だ、嘘だ。『LI〇E』のアプリを起動させ誠の名前を探す。あった。
『誠、すまない。会社の方に間違って書類送っただろ?』
すると、一秒もたたず既読が付きジャジャンと音が鳴り返信が来る。
〈今家だからわかんねぇ〉




