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26話【命の砂時計が盗まれた!!!】

「おいっ!待てよって(オジサンを走らせるな)そんなに、早く行くな!」

俺が、呼びかけても日和は走り続けていた。途中で、“縦巻きカールのお嬢様”に出会ったがシカトして走り続ける。日和の足は、何故か早く先ほどの日和は居なかった。


「篠川が遅いのですっ」


前々から思っていたが、「くん」を付ける時と「呼びきり」の時があるのは何故だ?どちらかにして欲しいのだが。まぁ、聞くほどのことでもないかも知れないな。また、階段を上り俺たちは教室へ吸い込まれていった。


先ほど、授業が始まったようで鬼の様な顔をした教師が出迎えてくれた。時間割を確認。ん………?教師の名前が違う。この時間にあの教師が来るはずがないのだが。良く分からぬまま席に着き、時間割通りの教科書とノートと資料を出す。


周りの生徒も、俺と同じ教科書を出していた。教科書には、白地に様々な模様が描かれている。文字には、『国語』と書かれている。俺がノートを出し終えたのを見届けて教師は話し始めた。


「国語の担当の先生が、しばらく休まれるので代わりに私が授業をします」


短くまとめられすぎた様な自己紹介。国語の担当の先生が何故、休むのかぐらい言ってくれよ。この教師は、俺の記憶の中にいるのだろうか……。パッと見ただけではわからない。記憶の引き出しを片っ端から空き巣の様に手際良く開けていく。


・・・・残念ながら、あの教師は記憶には居なかった。きっと、高校の先生か何かだろう。まぁ、監視とか緩そうだし砂時計授業中の見てもいっか。椅子をギギっと少し引きポケットから砂時計を取り出す。ん?

________俺のポケットの中は、留守だった。何も、ない、何もいない。


「嘘だろっ!????」


俺は、慌てて鞄の中や上着の内ポケットの中を確認するが………。(ないっ!)どこを探しても、砂時計は無かった。(嘘だ、嘘だろっ)魂がスルッと抜けていく様な気がした。頭の血がサァーッと流れ落ちていく。テンパった俺は、とっさに立ち上がる。


「手洗いに行ってきますっ」


そう言って、椅子を跳ね飛ばしながら床を盛大に蹴り大きな音をドカドカ立てながら教室を飛び出していった。ヤバババババババババババ!どうすりゃ、良いんだよ。俺は、さっき通ってきた道を探し回った。廊下・階段・玄関。どこを探しても答えは同じだ。無いのだ。


「俺、連れ戻されるのかよ。まだ、ここに居たい。嫌だ……、リセット生活は終わってねぇんだよ!」


廊下にしゃがみ込み、声を抑えて、涙も堪えて。あの、砂時計を探さないと。どこで、落としたのだろう。


立ち上がり、前へ進む。階段をまた、駆け降り1階の玄関へ向かっていった。俺の姿が消えたほんの1分後。先程俺が居た場所に誰かがいた。この学校の制服を着た学生。その学生は、廊下を通ることが目的では無かった。近くの「階段用」と書かれた落書きだらけのゴミ箱を見て、何かに気がついたのかゴミ箱を手前に引き寄せてくる。ゴミ箱が居なくなった跡地には、日の光に反射して光る黄色い砂が入ったガラス瓶が落ちていた。


ガラス瓶は、中央あたりが凹んでおり砂が少しずつ落ちる仕組みになっている。そう、これが篠川の探し物。つまり、砂時計である。学生は、その砂時計を自らのポケットに押し込み立ち去っていった。篠川の砂時計、現在何者かが所持中。

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