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18話【遅刻で潰されかける】

翌日、目を覚ましてみると日の光が差し込んでいた。朝だ。俺は、リビングのソファーの上で眠ってしまったよう……動けない。起きれない。体が、硬い。俺は、ハッとして、(これが、金縛りか……)と勝手に解釈していた。


大体、金縛りは婆さんとかの筈だが……。体の上に乗っていたのは、日和の頭だった。え?状況が、上手く読み込めない。なぜ、日和の頭が俺の体の上に?


これは、夢なのか?よく分からないが、起きなければ。学校がある。日和の頭を寄せて、起き上がろうとしたがまだ体が起き上がらない。


ハッとして、動かない部位を見ると、あの美人な先輩の頭が乗っかっていた。タスケテ……。時間に余裕があれば、このまま二度寝していたかも知れないが。俺の目は、時計がある壁に向かって動いた。午前8時30分。朝のHRが始まる時間だ。


さぁ、どうするべきか。このまま、二度寝して頭を乗せたままにして頂くか、叩き起こして学校へ走るか。今からならば、ギリギリ教室へ飛び込めるかも知れない。が、こんな事二度とないかも知れない。


幸せを取るか、成績を取るか。俺は十分楽しんだ、と自分に言い聞かせ2人の頬を叩いた。2人は、うっすら目を開け挨拶をする。


『おはよう……ございます』

2人同時に、挨拶する。目を擦る2人。双子ではないのに、行動が息ぴったりだ。日和は、パジャマ姿。先輩は、Tシャツと体操服のパンツ。日和のパジャマには、ハートが大量にプリントされている。


「2人とも、朝ご飯食べたら走ろう!遅れるよ!」

2人は、ユックリと頭を動かし時刻を確認。2人の目には、8時32分という数字が目に入ってくる。(8時……32分?)朦朧とする意識の中、何度も何度もその言葉を頭の中で繰り返していく。そして、


『ちこくぅ!』

タイムラグが、あり得ないほどあったが無事、気がついてくれたようだ。ほかの生徒は、俺たちを置いて行ってしまったようだ。蛻の殻だった。

2人は、慌てて食卓テーブルの上に置かれた朝食へ走っていった。

俺も、朝食を一緒に摂る。朝食は、食パンとスープ。お弁当を買う為、財布を取り出し中身を確認。ある!


3人は、2分で準備を終わらせ荷物を持ち、学校へ向かい駆け出した。途中で、日和が転けそうになるが篠川が手を貸し、なんとか転けることなかった。美人な先輩は、足が速くいつの間にか、並んでいた筈が数メートル前を走っていた。2人は、先輩に追いつく為にスピードを上げる。


しかし、日和はスピードに着いて行けていない。ほぼ、引っ張られている感じだ。散歩を嫌がるリードで繋がれた犬のような光景である。

先輩は、気がつくと校門前に肩で息をして膝に手を当て、身をかがめ2人を待っていた。


「行こう……」

顔を真っ赤にした俺が、一歩踏み出した途端、何かに顔面をぶつけてしまった。

「つーーーーー」

痛みに顔を歪めた俺の行く手を阻んだのは、門だった。登校時間を過ぎてしまった為、門が閉められてしまったのだ。

「あ"あ"!?なんで、閉まってるんだよ!」

俺の叫びに、日和は真面目に答える。喉に何かが引っかかったかのように声が出せなかったが。


『登校時間を、とっくに過ぎています。不審者侵入防止の為です』

俺が門を乗り越えようとした時日和が、

『今の篠川さん、不審者です』


俺は、ハッと気が付いた。衝撃的すぎて門の上に腰掛けた俺は落ちそうになる。(うわぁぁぁ)いや、俺は落ちた。隕石のように、女子生徒2人の上に落下していく。女子生徒2人は、あまりの衝撃的な出来事に固まり、その場を動く事が出来なかった。


俺は、視界が揺らぎ身の危険を感じた。俺は、落ちていく。スローモーションのように、景色が天へ昇っていく。女子生徒2人は、目を見開き手を繋ぎあった。これは、勇気付けるなどの良い意味では無く、ただ単にどちらかが逃げるという事を防ぐ為だ。


自分たちのいた世界が、暗くなっていく。恐怖に歪んだ2人の見上げた顔の上には、制服を着た男子生徒が接近してきていた。逃げようにも、足がすくんで動かない。

「ヒィィィィィィィィィ」

「あ・・・」


引きつった唇の箸が吊りあがる少女。不気味な笑顔に変化していた。

『美人な先輩』である。

美人な先輩は、日和の手の平に自らの爪を立て、日和が痛みに手を離した隙に、先輩は手を離し横へ転がる様に避けていた。残された日和は、先輩に向かって手を伸ばしたが先輩は傍観者の様に、日和を眺めていた。


「せん……ぱい」

白い腕が美人な先輩へ伸ばされる。その瞬間、日和の姿は消えていた。けれども、日和は潰される事はなかった。怪我一つなかった。閉じていた目を開けると、目の前には日和を潰さない様に四つん這いになった篠川がいた。

『し、の、か、わ?』

「ギリギリ、セーフだよな?」

『どこがだよーーーー!』

俺の顔面に、拳が飛んでくる。

「助けてやった……グフッ、俺だってさぁ潰さない様に神経使____」

『うるさいっ!もう、あんな無茶二度としないでよ!』


パシャっ


2人は、その音が何なのかすぐには判断出来なかった。日和は、ハッと美人な先輩を見ると、先輩は携帯電話を手に持っていた。

『スクープ、頂きました』

「ハァ!?」


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