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16話【バリア】

気がつけば、午後6時55分。

見る予定だったゲームの実況プレイ番組は遠に終わっている。


Yo◯Tub◯も、視聴可能時間を過ぎてしまっている。

"俺"の寮では、そういう動画類視聴制限の規則はないが、時間制限がある。


6時半までだ。それ以降は、おとなしく部屋で過ごすというルールだ。

「ウワァ!最悪!なんで、25分もオーバーするんダァ!」


その上、夕食の時間も過ぎてしまった。=冷めた料理しか食べられない。

頭を抱え、トボトボと1階へ降りていく。


その時、隣の部屋から上のクラスの女子生徒が飛び出してきた。

まだ、制服のままだった。


バタバタと、大きな音を立てながら俺を追い抜き1階へ走っていく。

あんまり、可愛くない子だったな……。スタイルも、子供っぽいし。

ロリ体系。顔も中の下だし。いや、下か。


なんていう、査定をしつつ一階へ。

すると、予想外にも美味しそうな匂いが漂っていた。


階段を駆け下り、ドアを開けると……


「あっ!篠川!夕食冷めてたから温めるよ!」

先輩が俺の分と思われる皿を持ち、キッチンへ入っていった。


「あっ……アザース」

小さく頭を下げ、椅子に腰掛けた。

机には食べかけの料理が並び、その隣で床に寝転がり炭酸飲料を飲んでいる人達。

俺、『残飯処理班』とかじゃないよな。そんな妄想をしつつ、料理を待った。


先輩が、「できたよー」と叫ぶ声が聞こえ、俺は意識を取り戻した。

いつの間にか、イスに座ったまま寝てしまっていた。


目の前には、白米とサラダと味噌汁の質素な料理が並ぶ。俺が、作る料理の方がまだ豪華だと思うのだが…


「いやー、ごめんねー。うちの由美香がさぁ温めた奴食っちゃって」

話している生徒の後ろから、由美香という生徒が現れる。これまた、可愛くない。


顔面:中の下の下。スタイル:下。という、簡単に言えばブスが俺の目の前には現れた。口の周りに、ケチャップを付け矯正中の歯を見せて笑っている。顔には、ソバカス。


(つまみ食いじゃなくて全部、食べてくれてありがとう)なんていう、感謝をしつつ料理を口に運んだ。なぜならば、つまみ食いでバレずに俺の目の前へ運ばれてしまえば人生が終わってしまうからだ。俺の、胃の中にそいつが入ってくるような気がして気持ちが悪い。


『篠川、全部食べてごめん』

由美香は、自分なりの精一杯の笑顔を作り笑った。なぜ、ここで笑うのか皆理解できなかったが。


由美香の考えは、逆に俺の中の由美香への気持ち悪さを倍増させる。俺は、作り直された料理を食べ終えると二階の自室へ帰っていった。


由美香は、うーんと考える。(篠川は、顔面は中の上。スタイルは、上)由美香もまた、篠川の計測をしていた。


『篠川は、やっぱり良いわ!うん、良い。この私が告白すればOK出るわよね』

なんていう、自分に自信アリアリの由美香。勿論、篠川は由美香をそんな風には見ていないし、ましてや友達でもない。ただのキモい女としか見ていなかった。


由美香は、ガッツポーズをして篠川部屋へ向かっていく。部屋で2人で話す予定。

しかし、現実は甘くない事を由美香は知る。


ドアをノックして、中に入れて貰おうと考えていたのだが、ドアをノックしても扉は開かなかった。篠川は、扉の隙間から誰が来たのか覗いていたのだが、由美香だと知るとヘッドホンをしてベットに入ってしまったのだ。


篠川も、他の美人な先輩ならすぐさま開けていたかもしれないが。こんな、妄想ブスは部屋に来ても、結界を貼り絶対に入れないつもりだ。


まぁ、それくらいではポジティブ由美香は折れない。

(きっと、今まで女の子と話した事がなくてわからないのね!)

また、妄想を膨らませていった。

その後、由美香は衝撃的な光景を目にする。それは、ほんの数分後のこと。


由美香は、もう一度篠川部屋の前に立っていた。ドアをノックするが、案の定開けてもらえない。その時、誰が見ても美人な生徒が篠川部屋の扉をノックした。すると、数秒でドアが開きその生徒は、中へ入る事ができていた。

由美香は、まだ気が付かない。(きっと、約束があったのね。私も、後で約束しとかなくちゃ)うんうん、と頷き由美香は退散していった。


部屋の中にて

篠川は、由美香の後に美人な先輩がやってきた事に、はしゃいでいた。勿論、約束などない。即座にその生徒を中へ招き入れた。

『篠川君、お風呂の順番来てるよ。行ってきなよ』

その後、雑談をして話を終わらせた。由美香バリアを張った部屋には、由美香は入れない。それを、いつ由美香は知るのか。

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