14話【オジサン……オジサン……】
俺は、食堂横の階段から聞こえてきた声に耳を傾けた。まだ、その話をしていた女子生徒達はその場に居る。
『篠川君ってさ、なんか未来人とかみたいじゃない?」』
1人の生徒が、ケラケラ笑いながら俺のことを話す。すると、もう1人の少女も、
『確かに!なんか、雰囲気が………オジサン⁉︎』
オジサン!?俺は、その場に倒れそうになる。いや、確かにオジサンだ。しかしながら、今は高校生の姿。オジサンな訳がない。
『ウッソ!オジサンじゃないよー、まぁ、大人びてるっていうか……』
茶色に染めた髪の毛を指で遊びながら、会話を続けている。もう1人の少女も、携帯のストラップを指で遊んでいた。なんで、俺の話題に………。俺は、もう死にそうな状態に陥っている。
『まぁ、篠川君は大人だね。もしかして、ビールとか飲むのかな!?』
現実社会では、飲んでますけど。今は、買えないし、飲めないし。飲みたいけどなぁ……
『ビールは、ないでしょ!買えないよ!高校生だよ!?…………』
俺の話題は、終わる事なくそのまま会話を続けて去っていった。飛び出ていた心臓が元の位置に帰ってくる。そして、再起動した。(アッブネー、死ぬところだった)まぁ、元オジサンは行動もオジサンという事か。いくら、高校生の時に返ったとしてもな……。
俺はトボトボ歩き、玄関から外に出た。心地よい風が、吹いている。早く、寮へ帰ろう。うん、その方がいい。学校を出て、俺は寮へ向かっていった。
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寮に帰ってくると、既に帰ってきていた生徒に出迎えられる。
「お帰り〜」
紙パックのジュースにストローを刺し、口に咥えた生徒が俺に手を振った。目に、様々なジュースの品名が飛び込んでくる。机には、ダンボール箱が並べられていた。
「先輩のおごりだよぉ〜」
セーラー服のカフスを外した女子生徒が、体の前で両手を振っている。俺は、唇を尖らせ段ボール箱から紙パックジュースを取り出した。パッケージには、「バナナ」と書かれている。
ストローを、ビニール袋から出し紙パックに差し込む。
「いただきます」
『そんな、オジサンがビール注いで貰うみたいに言わないでよ!』
『篠川って、本当オジサンだね!』




