11話【おじさんが寮生活!?】
俺は、鳴り響く高い鈴のような音で目を覚ました。辺りを見渡せば、自室である事がわかった。視界に入ってきた白い円形のテーブルの上には、宿題が山積みにされたまま放置されている。
解いたは良いものの、片付けていなかったのだ。「いけねー」と頭を掻くと、ノートや教科書類を正鞄にグイグイと押し込んだ。
「ふわぁ」
大きな欠伸をした後、壁に掛けられた制服に着替える。
ブレザーの学校だが、スーツと違い着心地も良かった。カッターシャツに、ネクタイを締めチェックの灰色のパンツを着て上着を最後に羽織る。
今と、昔ではオシャレ度が全然違うな。昔なんか、黒の学ランなのになぁ。女子はセーラー服を着る。相性が、とてつもなく悪く感じるがしばらくすると、自然と慣れてくる。
男子のみ、新制服が導入されたらしい。
制服に着替えた後鞄を持ち、一階に降りると他の生徒は制服に着替え朝食を摂り始めていた。美味しそうな匂いが、すぐに漂ってきて匂いだけで満足してしまう。
「篠川!早く、食べろよ!」
いつ、名前を覚えたのか先輩が(俺が正しくは先輩)俺を呼んでいた。「はいっ!」と返事をして椅子に腰掛ける。
この学校では、朝食も出るのか……俺の知り合いの子供はコンビニで買うらしいのだが。
「うちの学校って、食事出るんですね」
俺は、隣の席の先輩にコソッと耳打ちする。すると、驚いたように、
「あったりめぇーだろ?」
と言い、手に掴んだパンにまた豪快にかぶりついていった。
当たり前、なのか。今の中学生は本当に、羨ましい。
俺は、白い皿に乗ったパンを手で掴み、先輩に負けず劣らず豪快にかぶりついていった。
7時45分になると、先輩は出発の準備を開始していた。
今、いる先輩は6人。
他の先輩は朝練に行くため、6時には寮を出ていた。
1番年下の俺は、先輩に説明されたのだが、最後に出る事になっている。
7時50分に俺は、食器の片付けを終わらせ鞄を手に取る。
「俺も、行くか」
椅子を戻し、玄関へ歩いていく。
そこで、靴に履き替え俺は、寮を出た。
朝の風は、とても心地よく、気分がいい。
寮から学校までは、ほんの2,3分。徒歩でも迎える距離だ。
1番最後の俺は、寮の職員にブンブン手を振られつつの登校だ。
なんだか、大の大人が手を振られていると思うと、恥ずかしく感じる。
いつの間にか、早足になり、1分程で校舎の前にたどり着くことが出来た。
「今日も、頑張らねぇとな」
ぐいっと伸びをして、俺は駆け出した。




