不安
「はい!河原さん。ちゃんと入ってくださいね。」
そう言いながら川西さんは、そっと傘の中に入れてくれた。駅に向かう途中、俺はさらにドキドキした。このどきどきの正体になんて一微塵も気づきたくない。お前は、誰にでも優しいもんな。そうやって自分に言い聞かせる。
「あ、河原さん!電車きちゃいますよ!」
しばらく歩いたのち、駅が見えた時に川西さんがつぶやいた。
「いいじゃん別に次のを待てばー。」
「えーダメですよーこういうの、走らずにいられないんです!」
そう言ってお前は、俺の腕をガッと掴んで走り出す。おいおい、本当にお前は面白いな。俺も思わず走り出す。これさーなんかカップルみたいじゃね?クスッと俺は笑いながら、走った。
「「はあ…はあ…まにあったー。」」
お互い声をそろえて言ったのでつい顔を見合わせて爆笑。
「ていうか川西さんはしりすぎ!あははは。」
まだ、整ってもいない息切れの状態で俺は笑いながらつぶやいた。
「だって…。走らないと間に合わないじゃないですか。あははは。でも、たのしかったでしょ?」
ふっと下から俺を覗き込んで言うものだから赤面。あー不意打ちとかずるい。俺は目をそらしながら、
「まあ、ちっとは面白かったけどな!」
なんて、照れ隠しをしながら言った。恥ずかしいからこっち見てくれるなよ。そう思いながらそっと川西さんをみると、じっとこっちを見つめてた。
「な、なんだよ!」
「いやぁ河原さん可愛いと思いましてふふ。そういってもらえてよかったです。」
そんなとを言われるから余計に赤面した。もうマジで勘弁。俺こいつのこと好きなんかな?だって無意識な行動が可愛すぎないか?こういうの反則なきがする。そうやってはしゃぎながら、川西さんの家に向かっていくとあっという間に家の前についてしまった。本当にこいつといると飽きない。なんなんだろうな?光…。俺はお前だけだよな?自分に言い聞かせるように俺は強くそう念じた。
「あー。もう着いちゃいましたね。すんごく楽しかったです。本当に河原さんといると時間あっという間に過ぎちゃいますね。へへ。今日は送っていただいてありがとうございました!」
あーほらまた不意にそう言う可愛いこと言いやがるんだ。やめてくれよなー。
「おう、俺も楽しかったし元気もらえた!こちらこそありがとう。」
そう言うとお前はニコッとしてたっと玄関の方に走っていった。そんで入るのかと思えばふいに振り返って
「はい!またあしたです。」
そう笑顔で入っていった。
しばらく俺はぼーっとしてしまった。なんかさ、俺あいつの事たぶん好きなんだわ。でもさあいつは彼氏がいるしおれも光をかなしませたくないんだよなー。はあどうしたらいいんだろうなー。おれは真っ暗闇の空を見上げておもいっきりため息をした。
今のせつないおもいはどこへ持っていけばいいのか。そんなふううにおもいながら。




