疑問
ブブブ…ブブブ…
携帯のバイブの音で目が覚めた。
「んー。はい。あー光。はあよ。今?あーまたやらかしたなーっ。十二時過ぎじゃん。んー体だるい。ごめんだけど、家まで来てくれる?たぶん時間かかるし。」
電話越しに聞こえる、高くその細い声は俺の彼女、相澤光のもの。いつも優しい彼女は俺の支えだ。俺は一人暮らしだ。働き出してもう三年。光は、一年ほど前に出会って付き合った、バイトの子。今は大学生だ。
「んーよいしょ。」
俺はおおきなのびをしてから、重たい体を持ち上げて顔を洗う。そうこうしてると、光が来た。
「洸ちゃんって相変わらずお寝坊さんねー。」
ドアを開けていえにいれたら、いつもそう言ってくる。
あーこいつのこれ嫌い。笑顔でいいながら無意識なのかは知らないが、俺を攻めてくるこの言葉。
あいつだったら、また河原さんらしいですね。とか笑いながら言うんだろうな。俺は無意識にクスッと笑ってしまった。
「洸ちゃん!なんで笑ってるのよー。」
光がちょっといじけた顔をする。
「ん?いや特に意味はない。つか、いつも起きれたらなーっていってるじゃん。」
「そうだけど。」
光がシュンとする。んーちょっと前まではこれも、可愛かったんだけどな。今はなんだか少し重いきがする。あいつのせいかな。なんだかぼーっとしながら着替える。あいつは。また馬鹿みたいに今日もまた働いてるんだろうな。脳裏に浮かぶのはあの、アホのことばかり。でも俺は光が大切なんだよ。
「んーよし行くか!」
起きて、一時間くらいたってようやく準備が終わった。その後ろをとてとてと、光が付いてくる。うん、可愛いな子犬みたい。こいつは、なんだかんだ言いながら、いつも俺のマイペースに付き合ってくれる。こいつは、あいつとは違って人見知りであまり喋らない。俺の前でだけよく喋る。んであいつと違って、ほんわかと笑う。あいつが太陽ならこいつは月。んーなんだか正反対だよな。ってさっきから、比べてる自分にイラっとくる。でも、喋りながらあるいてるのに上の空。光が楽しそうに話してるんだけど、うまい具合に俺は相討ち打ってるだけだった。やっぱり俺ってあんまり喋らねーよな?自問自答してみてもこたえがでるわけでもなく、微妙な気持ちになった。
「洸ちゃん今日なんか元気ない?疲れてるの?なんかごめんね?」
ふと、光が俺を覗き込んでそんなことを言うものだから少し焦ってしまった。
「え?そんなことないよ?ちょっと眠いだけだよ。心配させてごめんな。」
俺はそう言って笑いながら誤魔化した。あーなんか俺変だし。ごめん光。と、心の中で強くつぶやいた。俺は、この強く訴えてくる心の奥の声をただ、無意識に抑えることで自己満足をしているだけなんだろうか?
そういうことさえもこの時の俺は気づかなかったけれど…。




