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【詩】戯言マニュアル         【シリーズ】

戯言マニュアル

作者: FRIDAY

 


 ありきたりなことばの羅列

 使い古しの恋のうた


 口当たりばかりいい詞

 耳触りのいいだけの韻律


 初めの誰かの感動を

 何度も薄めた劣化複製

 面白くもなく驚きもしない

 徒言あだごとたちの吹き溜まり



 所詮は誰かの百番煎じ



 どこかで聞いたよくある話

 手垢にまみれた愛のうた


 手触りばかりいい語感

 口解けのいいだけの残響


 一時流行ってすぐ消える

 そんな虚言そらごとの繰り返し

 ただ次々と書き換えて

 累々と続くゴミの山



 結局誰かのマイナーチェンジ



 誰かが唄う愛の唄

 誰かが語る悲劇譚

 「そんな台詞は聞き飽きた」


 目先鼻先換えるだけ

 同じことしか唄っていない

 「まるで心が籠もっていない」


 外装ばかり着飾って

 見た目は綺麗で中はからっぽ

 「そんな詞は死んでいる」


 美辞や麗句を並べただけで

 心も想いも伝わるものか

 「思い上がりも甚だしい」


 伝える気もない独り善がりを

 あたり構わず撒き散らすだけ

 「そんなものなどただの自慰」


 虚ろな字列はただの誇張

 周囲の熱気に呑まれただけの

 嵌め込む詞はただの死骸


 毒にもならず薬にもなれない

 同じ一節の繰り返し

 誰もの飽くなき永劫の徒労


 薄く浅く広がり続けば

 いつしか誰も顧みず

 誰の心も動かさず

 誰の内にも響かない



 無為無駄無意味を垂れ流し

 葡萄を見上げる狐のような



 この唄こそが

 ただの戯言(ざれごと)





 

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― 新着の感想 ―
[一言] 寸評でなく感想です。 「そんなことないよ」「みんなちゃんと感じているんだよ」「薄まってなんかいかないよ」 と思い続けて最後まで読みました。 私は詩を書きませんが、書かないからかな。どんな風…
[一言] ジャンル 詩 一致 寸評 ついさきほど、自分の書いた寸評を思い出しました。申し訳ない。先に全作品を読んでおくべきでした。 文章◎ 表現と総合 リズムは概ね良かったです。もっと陳腐な表現を…
[一言] ジャンル 詩 寸評 ほっとする詩です。私が。ああこんな人間いるよねと再認識させられるというか。 文章 ◎ 表現 女子力高め。窓を見ながら呟いているのが見える。 総合 この方針だというこ…
2017/04/21 10:24 退会済み
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