エピローグ
次の話から大きく世界が動きます。
世界中が混乱していた。
浮遊する大陸が現れたのはコウたちが戦ってから二週間たってからのことだった。
場所はユーラシア大陸の日本海側沿岸部。
大きさにしてその沿岸部を全て覆うように縦に長く、天空に浮かぶ大地が突如現れた。
そこから溢れ出るビジターももちろん脅威ではあったが、それよりも問題だったものが出現した。
天使だ。
天使が舞い降りた。
翼こそないものの、服従因子が人間にそれを教えた。
そして、その天使は人間たちをビジターから守った。
そして、ユーラシア大陸沿岸部の都市は事実上天使の支配下に置かれた。
それに異を唱えられるものなど居なかった。
湾岸部制圧にたった三日。
服従因子により抵抗することすら出来ずに人間は屈服した。
「上手く行き過ぎてきもちわりぃ位だぜ」
七月席が浮遊大陸にある城の王座でせんべいを齧りながら笑う。
壮麗な謁見の間には神とロウアーしかいない。
護衛の者は居ない。
元々、神に護衛など必要ないが、それよりもこの神の戦闘における絶大なる自信がそうさせていた。
燃えるような赤い髪が印象的な神だ。
獰猛さをたたえる瞳は常に獲物を求めている。
「それにしてもこれ美味いな。気に入った。どこのものだ?」
「日本のものでございます」
ロウアーが跪きながら応える。
「ああ、『神喰らい』が居るところか」
「『神喰らい』?暁コウのことでしょうか?」
「おおよ。神を2柱もやっちまったとくりゃあ、そう呼んでやってもいい。面白そうだ。決めた!俺は日本とやらに行くぜ!案内しな!」
七月席はそう言うと席を立つ。
「仰せのままに。ジュライ・バーンズ様」
ロウアーはその後ろにしたがって歩く。
七月席。
太陽の神。
闘いの神。
暴なる神。
さまざまな異名の中でも彼は好んでこの名を名乗った。
爆熱の神、と。
後、主役級はみんないじめられます。
次は二ヶ月以内に出せればいいなぁ。
この話でコウが元の日常に戻ることはなくなります。
メツも服従因子に縛られることはなくなりました。
開放されたよ!やったねみんな!