誰かおるでぇ
掲載日:2026/08/08
知人の淳子さんの話。
真夏の夜遅く、淳子さんは自宅と隣家の間の路地の鉢植えに水をやっていた。
路地は幅1メートル程で、自宅と隣家の間を5メートル程入ったところで行き止まりになっており、隣家は空き家のため、明かりは自宅の窓明かりだけで、家人以外は入って来ない。
ジョウロで水を撒いていると、路地入口あたりで複数の声がした。男性と女性、数人が入り混じった声だった。
表の通りを歩いているのだろうと思っていたが、背後に声がだんだんと近づいてきていたので
「?」
と淳子さんが振り向くと
暗闇の中、白い目玉二つと、同じく白い歯並びだけがすぐ近くの真正面に浮かんでこちらを見て
「アカン、ここ、誰かおるでぇ」
と男の声で言われた。




