第12話:ヨセフ、夢を語ったら井戸に落とされる。
えー、みなさんこんにちは。春日部つむぎです。
前回、ヤコブくんは神様とのガチレスリングを経て「イスラエル」へとアップデートされ、お兄ちゃんのエサウとも奇跡の和解を果たしました。これでようやく、一族の回線が安定したかと思いきや……。
今度はヤコブくん自身の「親バカ」が原因で、次世代のシステムが大炎上しちゃいます。補正されたはずのヤコブ家に、また偏愛と嫉妬が再発する。旧約聖書のバグ、本当にしつこいんです。
夢は本物。でも、話す相手が最悪だった。
それでは、第12話「ヨセフ、夢を語ったら井戸に落とされる。」いってみましょう。
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偏愛バグの再実装と、キラキラの勝負服
ヤコブくん(イスラエルさん)には12人の息子がいました。でも、彼は亡き愛妻ラケルとの子「ヨセフ」だけを異常に可愛がります。特注の「彩り鮮やかな長い袖の着物」をプレゼントしちゃうレベルです。
これ、周りのお兄ちゃんたちからすれば面白くありません。ヤコブくん、かつて自分が「親の偏愛」で苦労したはずなのに、自分も同じバグを実装しちゃってるんですよね。兄たちのヘイト(Attention Scoreの負債)は、着実に蓄積されていきます。
無自覚に刺す「夢ログ」の不適切公開
さらに、ヨセフくん本人がまた「無自覚な煽りスキル」が高かった。彼はある日、すごい夢を見て、それをわざわざお兄ちゃんたちの前で発表しちゃうんです。
ヨセフ「ねぇねぇ! 僕の麦の束にお兄ちゃんたちの束がお辞儀をしたんだよ!」
ヨセフ「今度は太陽と月と星が僕にお辞儀をしてたんだ! すごいでしょ!」
ヨセフくん、たぶん悪気はないんです。すごいものを見たから共有した。でも、悪気がないことと、人を傷つけないことは別ですよね。未来の予測ログを、適切なアクセス権限のない相手に、しかも最悪のUI(自慢話)で公開しちゃった状態です。兄たちからすれば、父の愛を独占している弟が「将来お前らは僕にひれ伏す」とキラキラ語ってくるわけです。……それは刺さる。刺さりすぎます。
井戸へのドロップ、そして「カインのバグ」再起動
ある日、兄たちのところにヨセフがやってくると、彼らはついに実力行使に出ます。「あ、例の夢見る野郎が来たぞ。消しちゃおうぜ」。
これ、思い出しますよね。第2話のカインとアベルです。「なんで弟だけ愛されるんだ」という嫉妬バグが、ここで再起動したわけです。
彼らはヨセフの服を剥ぎ取り、水のない枯れ井戸に投げ込みました。
水のない井戸。命を支えるはずの場所なのに、水がない。そこはヨセフにとって、家族の中での居場所が完全に消えた「一度目の死」でした。
結局、殺す代わりに通りがかった商人に「銀20枚」で売られ、ヨセフはエジプトへ「強制転送」されることになります。
兄たちはヨセフの服にヤギの血を塗り、「野獣に食べられました」とパパに虚偽報告をしました。パパ・ヤコブは、かつて自分が父を騙したのと同じ「動物の血」と「服」という偽装に、今度は自分が騙されることになったわけです。因果の返却、本当に容赦ないです。
補正の結末:地下牢からのスタートアップ
エジプトに連れて行かれたヨセフくんは、奴隷としてポティファルの家で働くことになります。
絶望的な環境ですが、ヨセフは落とされるたびに、その階層で管理権限を取る「異常な実装能力」を発揮します。家の全財産を管理するまでになりますが、今度はポティファルの奥さんから濡れ衣を着せられ、地下牢へ。
どん底に落ちても、またそこで監獄の管理を任される。ヨセフくん、行く先々で現場を効率化して権限を奪取する、驚異のOSを積んでいたわけです。
すべてを失い、地下牢という低階層まで落ちたヨセフ。
でも、彼の手元には、あの「夢を見る(ログを読み解く)力」だけが残っていました。
さて。
監獄でくすぶっていたヨセフくんに、ついに「人生最大のチャンス」が巡ってきます。エジプトの王・ファラオが見た、誰にも解けない謎の夢。
次回、第13話。
「ヨセフ、夢を解いたら副王になる。」
お楽しみに。……次は、囚人から一気に副王へジャンプアップする、大逆転劇のお話です。




