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誰よりも深く私を憎んで  作者: 紫苑
第一章 異国の王妃
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6


アウラの声が落ち着くと同時に、帳の向こうから足音が近づいてきた。

セシルが顔を上げたそのとき、扉が静かに開かれた。


「……もう掃除は終わったかしら?」


アリシアがゆるやかな身のこなしで部屋へ入ってくる。

白いリネンの衣装を陽の光が彼女の姿を神々しく照らし、まるで神殿に祀られる像のようだった。


「お戻りですか、王妃様」

アウラが立ち上がり、軽く膝を折って頭を下げる。


「ええ。謁見はあまり長くならなかったわ」

アリシアは室内を見渡し、わずかに頷いた。


「セシル、アウラに仕事を教えてもらった?」


「はい…まだまだではありますが…」


「……あなたのその謙虚さ、時に武器になるかもしれないわね」

くすりと微笑んで、アリシアは腰かけると、アウラに振り返った。


「神殿の準備、どうなってるかしら」


「ハトシェプ様から報告がありました。神官たちはすでに祭壇の掃除と装飾に取りかかっているとのこと。香料と果実、捧げ物も午後には届くそうです」


「良かった。……じゃあ、私も様子を見に行くわ」


アリシアは立ち上がりながらセシルの方をちらりと見た。


「アウラとセシル、あなた達もいらっしゃい。王宮の中も一緒に案内するわ」


セシルは一瞬戸惑ったが、すぐに応えた。


「……はい。ご一緒させていただきます」



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