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ゲンの拳骨  作者: 糸東 甚九郎(しとう じんくろう)
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其の三十九  屋上での戦闘

 ゲンが六階で板内との決戦を始めた頃、島村と青川は屋上へ到着。

 そこには、警官隊に向かって銃撃を続ける団員と、黒気球を飛ばそうとしている屯がいた。


「ぬぁ? な、何だあれは!」


 青川は、闇夜の背景に溶け込み、大きく膨らんだ黒気球を見て目を丸くした。


「あれは、き、気球だっぺ! あの気球の籠にくっついてるのは・・・・・・ば、爆弾じゃないかっ?」


 島村は、屯が黒気球に備え付けた毒ガスのボンベや炸裂弾を見て、青ざめた。


「ぬっ? 何と! こんな所まで、邪魔しに来たやつがいるだに!」

「屯! なんでお前、東洋江建築の社員なのにこんなことしてるのだ! 大犯罪者だぞ、お前!」

「もうどう足掻いても、後戻りはできなかっぺよ! 屯! 何だっぺか、この気球は!」

「うるさいだに! 板内団長さまの新しい国造りに、わては心から感銘を受けたんだぎゃ! そのためにはまず、腐った政府とろくでもない進駐軍本部を潰さにゃならんだに! 黒気球作戦で、まずは政府要人の居る中枢部と、進駐軍本部に、マスタードガスを散布するだに! そして、続けて小型炸裂弾を投下し、国を貧弱にさせた逆賊どもや侵略者どもを、根絶やしにしてやるだぎゃ!」


 屯は下品な笑顔で語り続けた。二人は「とんでもないやつだ!」と、表情を歪める。


「とんでもないやつじゃないだぎゃ! わては、屯殿平だぎゃ! だから、とんでもあるだに!」

「わけのわからんことを・・・・・・言ってんじゃなかっぺ!」


 島村は、足下に落ちていた尖ったモルタル片を、黒気球に向かって全力で投げた。

 続けて、青川が大声で「ぬあい!」と気合いを発し、階段横の木材を次々と投げた。

 それらによって、黒気球は無数の穴が空き、使い物にならなくなった。


「あああっ! なぁっ・・・・・・んてことをぉーっ! 信じられんことをする連中だぎゃ!」


 穴が空き、萎んでゆく黒気球。

 屯は慌てて修理しようと駆け出したが、青川と島村はその行く手を阻む。


「そうはさせなかっぺ!」

「うぬぬぬぬ! やい! 警官隊の相手をしてる者、何人か、こっちに手を貸すだに! こいつらから先に、始末しなきゃどうにもならんだぎゃ!」

「「「「「 了解! 」」」」」


 屯の指示に反応した団員数名が、回転銃砲機の銃口を島村と青川に向けた。


「し、島村! まずいぞ! どうする!」

「ぐ・・・・・・っ! ・・・・・・あ! 貯水タンク! あの、貯水タンクに隠れっぺ! そっちだ!」


 島村と青川は、咄嗟に貯水タンクの後ろへ隠れた。

 屯は「構わず撃つだに!」と指示すると、大量の銃弾が貯水タンクへ向けて放たれた。


「げひ、げひ、げひ! まだまだ撃つだに! 黒曜団の力を見せつけてやるだぎゃ!」


 貯水タンクからは、噴水のように水があちこちから飛び出している。

 その時、下の警官隊は「閃光弾投入準備!」という号令を出し、それは屋上にも届いていた。


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― 新着の感想 ―
馬鹿にするわけではないけど、真剣なのは解っていても………、方言や訛りのやり取りって、シリアスには向かないよね~。
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