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第六話 「家出少女?!」

 「家出?! 何かお家で嫌なことあったの?」


 そう聞くと少し言い淀んだ後にすぐ話し始める。


 「あーもう、花恋だからいっか。全部話しちゃお。ねえ聞いてよ!」


 れなはほっぺたを膨らませてる。こんなれな見たことないからなんだか新鮮かも。


 「うん、全部聞く」


 「うちね、お父さんとお母さんが共働きだから基本家で一人なんだ。お姉ちゃんも一応いるけど、昼は学校だし部活ばーっかで帰り遅いし」


 驚いた。れなが家族の話ししてくれるなんて。


 「うん」


 「休みの日だってそう、休日ぐらい休ませてくれ~って言って私のこと構ってくれないし」


 今のれなはいつもと全く違くてまるで駄々をこねる子供みたい。いや、駄々をこねる子供であってるんだけど、いつものれながあまりにも大人びてるからついそう感じてしまう。


 「もしかしてれなって寂しがり?」


 私がそう聞くとれなは顔を真っ赤にしている。


 「う、うるさい。悪い......? 子どもが家族と過ごす時間を求めるなんてとーぜんの権利だと思うんだけど」


 やっぱりちょっと可愛いからいつもの仕返しのつもりで膨らんだれなの頬を指先で優しくおす。


 「かれん?!」


 れなは驚いているみたい。


 「ごめんごめん、そんなに怒ってるれな見たことないからつい可愛いなって」


 「こっちは真面目に話してるんだけど!」


 そう言ったれなの顔はちゃんと笑っていた。


 「でも、すっきりした。ありがと」


 急に素直になられると何だか照れるからやめてほしい。静寂は照れくさいので話を続けた。


 「そ、それで、今回は何があったの? だってそれいつものことなんでしょ?」


 「うん。でも今回は全然話が違くて、明日から土日でしょ? お姉ちゃん部活で大会あるらしいから泊まってくるんだって。私を置いて」


 「それで拗ねちゃったんだ?」


 そう言えば先輩も土日大会みたいだし、れなのお姉ちゃんも先輩と同じ陸上部なのかな。


 「否定はしないけど! もうちょっと言い方考えた方がいいんじゃないかな、花恋さん。」


 「え、もしかして怒ってる?」


 「怒ってません!」


 うーん、怒らせちゃった。


 「ごめんごめん、頭撫でてあげるから許して」


 「そんなんで絆されると思ってるの......あぅ」


 そう言いながらもれなは満更でもなさそうに私に撫でられる。


 「ほんとにごめん、もうしないから。でも、流石に夜までには帰らないと危ないしきっとみんな心配するよ?」


 「それは、わかってるけど......じゃあ花恋の家に泊めてよ」


 家出少女をうちに泊めるってこと?! それって色々まずいんじゃ......とりあえず今日は一旦帰って貰わないと。


 「と、とりあえず! 今日は帰ろ? お姉ちゃんがいないのって明日からでしょ?」


 「明日なら泊めてくれるってこと?」


 「う、うん。じゃあまたね!」


 去り際にすごいルンルンだったけどこれ明日どうしようかな.......まあ明日になれば忘れてるよね??


 




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