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第十四話 「一緒にお風呂?!」

 

 「結構広いんだね」


 お風呂場に入るとれなはそういった。


 「こんなもんじゃない?」


 私がそういうと、


 「うちのお風呂ってもっと小さかったから2人で入るってあんまり想像つかなかったけど、これなら入れそう......」


 とれなが答える。そもそも人の家のお風呂なんて見る機会がなかったけどれながそういうなら大きいのかもしれない。


 「あ、そうだ! れなが花恋の背中流してあげよっか」


 「えぇ、いいって」


 そう私がやんわりと断るとれなは不服そうな顔をしている。


 「え、なに......」


 「だめ?」


 れなはあざとく上目遣いでこちらを見つめてくる。


 「う、うぅ......わかったよ」


 これは言っても聞かない顔だなと思い私はれなに身を任せることにした。


 「じゃあお背中お流ししますね~」


 れなは手元で泡立てたボディーソープで私の体を洗う。何だかくすぐったい。


 「お姉さん肩凝ってますね~」


 と言いながら何故かれなは私の肩を揉む。


 「も~なにそれ」


 年下の女の子に背中を流してもらってる今の状況って何なんだろう。ふと冷静になるとよくわからなくなってきた。でも、鼻歌混じりに私の背中を洗うれなを見ていると何だかそう言ったことを考えるのも全部どうでもよくなってきた。


 「前も洗う?」


 とれなは済ました顔でそう言った。


 「ふぇっ?! 流石にそれは勘弁して」


 「流石に冗談! 花恋本気にしたの?」


 「もうっまた私のことからかって」


 「まあ花恋がそうしてって言うなら......」


 れなが小声で何か言った気がするけど最後まで聞き取れなかった。


 「何か言った?」


 「なーんでも」


 またれなはいじらしく微笑んだ。


 「あ、そうだ! れなが背中流してあげたんだから、花恋も洗ってよ」


 れなは思いついたようにそう言った。


 「えっあっうん......」


 そう二つ返事をしちゃったものの、れなの素肌に直接触れるのは若干恥ずかしと言うか何だかいけないことをしている気持ちになる。


 「はーやーく」


 れながそう急かすので無心で身体を洗う機械になろうとそう思って手でボディーソープを泡立てれなの肌に触れる。


 「ひゃっ......」


 そうするとれながとても可愛い声を出した。


 「え、どうしたの、痛かった?」


 「え、あ、今のは違くて、その......」


 れなが珍しくまごまごしている。


 「ちょっとくすぐったかっただけ」


 そう言ってれなが恥ずかしそうに目を逸らすと何だかいけないことをしている気持ちになってすごく恥ずかしくなった。


 「つ、続けるよ」


 予想外の反応に少し驚いたけど無事に洗ってあげられたと思う。


 「髪も洗って~」


 今日のれなはなんだか甘えん坊だ。妹がいたらこんな感じだったのかな。次第に恥ずかしさも消えていった。


 「花恋って洗うの上手いね」


 「そ、そうかな? 人に洗ってあげたこととかないから正直わかんないけど」


 「なんて言うかすごく優しく触って貰ってる感じだった」


 「それは人様の娘さんですから? 大事にしなきゃって」


 「うーん、花恋ってそう言うところ......まあいっか」


 れなは何だか1人で納得したようだ。こういう時のれなは大体聞いても答えてくれないので気にしない方が良いってことを今までで学んだ。


 そうして互いに身体を洗いシャワーで1日の疲れを洗い流した。


 「じゃあ湯船にゆっくり浸かろ」


 「うん!」


 「あ、でも広いと言っても流石に2人でのびのび使うにはちょっと狭いよね......」


 れなが少し考えるそぶりをした後思いついたように


 「あ、じゃあじゃあ......」


 と提案を始めた。

 



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