作戦決行
「あ!冬輝君じゃない!またプリント?本当にごめんねぇ??」
いつも通り流れで部屋まで入ってしまった。
「久し…ぶり、だな。」
「———って…」
「……?」
「帰ってよ!!」
枕が飛んできて俺に直撃した。
「な、何だよ…」
「私…言ったのに…あんた…言ってくれたのに!また遊びに来るって!!なんで!?なんで何週間も来てくれないの??私…私…ッ!!」
…、。心が痛かった、それは事実だ、暁春からは連絡がなかったものの、本当は俺が俺から扉を開けてあげるべきだった…。
「…ッ!?」
そう考えてたら、勝手に、ほんとに勝手に体が動いて暁春を後ろから抱き締めていた。
「ごめんな…、。ごめん、…。」
「な、ななな!なな!?なにしてんの?!」
「うぇ?あ!?え?ご、ごご!ごめん!!」
俺は冷静になった。まずいことをしてしまった………。
「べ、……別に良いけど……。びっくりしただけ…、。」
「……なら、良いけど……。ごめん。」
……。
そこから数分また気まずい時間が流れた。
先に口を開いたのは俺だった。
「あのさ、俺、今さ、学校の虐めを、『グレーゾーン』を無くそうって署名活動してんだ、」
「グレーゾーン??」
「あぁ、暁春は知らなかったな、俺達が勝手に決めた名前だよ、傍観者でもあり、黒に汚された白、グレーゾーン。」
「なにそれダサ…。」
「だよな。」
暁春は俺の返答にはてなを浮かべていた。
「…で?署名活動に参加しろって?」
「あぁ、話が早くて助かるよ、えっと…紙…紙…、。」
「————しない。」
「え?今なんて…?」
「参加しない。」
「な、なんでだよ!学校が変わるんだぞ?お前も虐められて、苦しかったんじゃねぇか??」
「……。そんなことしても無駄だって知ってるの。無意味なの。」
「そ、そんなの!やってみねぇとわからねぇじゃねぇかよ!最初から諦めるのかよ!!」
「あんたはわかってない!!権力の恐ろしさを…。あいつらの恐ろしさを!!」
「……ッ!わ、わかってねぇのはお前だよ!!」
俺は部屋を、家を勢いで出た。わかってないのは俺の方だと…このとき気付いていたら何か変わっていただろうか。いや、何も変りはしなかっただろう…、。運命は決められているのだから。
決行当日。大勢のグレーゾーンが役所の前に集まった。
大量の人、騒ぐグレーゾーンと野次馬、警察が来てもおかしくない雰囲気が漂っていた。
「冬輝、やり通してくれてありがとうな。」
「お前のお陰だよ、どうにかここまで来た、やっと変えられる、この学校を。」
「…に、しても先生組が来ないな…。なにかおかしく無いか?」
「遅れてくるって優子先生からは入ってる大丈夫だ。あの人は信用できる。」
俺達は…俺は先生たちを大人たちを信用しきっていた。
「冬輝が言うなら…。」
「来ることを信じてそろそろ決行しよう、警察が来たら終わりだ。」
「…そうだな。」
そうして俺達は役所の中へ入ろうとした、だが、役員に止められてしまった。
「ちょ、ちょっと待って下さい!そんな大勢入りませんよ!!」
そして、俺は大声で要件を話した。
「俺達は教育委員会及び俺達の学校の管理者である義文氏に話をしに来ただけです。」
「わ、わかりましたから…!落ち着いてください!あなた方二人がリーダーですね?あなた方だけお入りください、他の方々を入れると役所がパンクしてしまいます…!」
俺と柊朔は顔を見合わせてお互いの気持ちを確認した。
「グレーゾーンの皆!聞いてくれて!ここからは俺達だけで行くことになる!いい結果を期待しててくれ!!」
俺と柊朔は二人で中に入っていった。
「で??話とは何かね?」
俺達は早速役所のお偉いさんと話をしていた。
「あなたの管理下にある俺達の学校ではある生徒一人が人生徒を虐めて苦しめているのです!どうか!慎之介の暴走を止めてください!そして平穏な生活を俺たちに下さい!!」
「慎之介…といえば飯河財閥の御子息かね…それが一人で学校を…と?証拠は?」
俺と柊朔は自信満々に目を合わせる。
「これを見てください、これは慎之介が暴行等により被害を受けた人たちの通院記録と暴行を受けた日時がはっきり書かれた書面です。」
「こっちには、ボイスレコーダーで証言を取ったものもあります。」
俺達は自分達の持てる情報を見せた。
「よくやるじゃあないか、だが、わしもそれだけじゃ動けんよ、警察じゃあるまいしね、」
「そう思ってこれも用意してあります。」
柊朔が大量のファイルを乱雑に机に置く。
「これは被害を受けた人たちの心からの署名です。学校を変えてほしいと言う…。」
「うぅむ…。なるほどなぁ。良くやったじゃあないか、でも子供達だけだとなぁ。大人たちの同意も得られなければなぁ。」
「…それは…。」
「先生が…、。」
そう、保護者や、先生たちの署名は全部優子先生が持っていた、数日前にもうちょっと集めたいという理由で預けていたのだ。
「まだまだ甘いな、若造。おい、呼んでこい」
義文が秘書のような人にそう告げ、少し経つとまた扉が空いた。そこには—————。




