現在
「そうして冬輝くんは亡くなったの…私達を残して…。」
「そうだったんですか……。。暁春…さんは失礼ですが……この事件に関してどう思っていますか…?あ、本当に失礼な言い方ですね…ごめんなさい…。」
「…良いのよ、…。」
そう言って暁春さんは話し始めた。
「…実際、冬輝君が亡くなって慎之介や義文がやってた事が明るみに出てすぐに捕まった。けどね、やっぱり世間は冷たい、覚えてる人なんて今じゃほとんど居ないのよ。けど貴方みたいにあの人の事を、この事件を記事にしようとしてくれる人が居てなんか嬉しい。ありがとう、夕夏さん。」
「いえ…。私も…。冬輝さんに助けてもらった身ですから。」
「…。幽霊の話…よね?、」
「そ、そうですよね、信じられないですよね…!」
そう、私は冬輝と言う幽霊に助けてもらった事がある。
「いいえ、信じるわ、貴方がそんな冷やかしをする人では無いのはわかる、私もね、時々思うことがあるの、この病室でこの十年間リハビリをしてきた、医者にもね、普通に復帰するのは0%に近いって言われてたの。でもね、今こうして人とお喋りして、息をして生きてる。」
「すごいですよね…努力家というか何というか。」
「違うの、冬輝くんが私に言ってる気がしてね、俺の分は託したって、生きろって。」
「…なんか…わかります…。生きる勇気を示してくれるっていうか…。」
冬輝は暁春さんの、私達の心の支えになっている様だった。
「おい!夕夏!次周りに行くぞ!時間だ!」
すると、空気の読めない上司が私を呼ぶ。
「すみません…!上司に呼ばれちゃったので今日はこのへんで…。またお話お伺いに来ますね!暁春さん!」
「はい、体調が良ければいつでも。」
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そうして夕夏と名乗った記者は去っていった。
あの子は冬輝の霊を見てそれがきっかけで記者になったんだとか。
今は、虐めや虐待を題材に記事を書いて撲滅運動的なのをやってるとかなんとか…。
冬輝……。私…頑張って生きたよ、精一杯生きた…。
でも、もうそろそろ限界みたい……。
記者の子には申し訳ないけどもうそろそろ眠りにつこうと思います。
いつか、いつか暴力が、虐めが…無くなることを切に願います。
夕夏さん。貴方ならきっと…………。




