想い人
どうも魔物。です。
こちらは話数区切り版となります!!
今回の話は『こだまする。』の前日譚となっております。青年と少女の儚い恋愛物語。
Twitterの本アカ(@Daiyosei_t)にてご意見などもいつでも受け付けておりますので気軽にご連絡をお待ちしております!
それでは物語をお楽しみくださいませませ…!!
~この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません~
俺は常々、気になっている人がいる。
その子は—————
きーんこーんかーんこーん——
「おーい、点呼取るぞ~」
学校のチャイムと先生の声で少し目が覚める。俺はさっきまで机に突っ伏して寝ていた。
「神崎は今日も休みらしいな、そろそろ持っていってやれな、冬輝。」
名指しされてハッとする。
…なんで俺が…。
「よし、授業始めていくぞ~」
退屈な時間が始まった。
授業を聞くより家で勉強してた方が幾分かマシだ。
そのまま退屈な時が流れていつの間にか昼休憩の時間になりいつもの屋上で寝ていた。
ここは良い…。誰も来ないし…。静か———で———————
「————おい、————————おい!聞いてるのか?最近ボーッとしてること多いよなお前…。」
こいつを除いては。
「すまん、すこし考え事しててな。ってか、昼ぐらいは寝かせろよ。」
「昼以外でもお前ずっと寝てるだろうに…」
こいつはバカ…もとい、柊朔。
ここだけの話、気を許せる親友…だ、こいつには絶対そんなこと口が裂けても言えないけどな。
「良いんだよ、そんな話は。で、俺になんか用でも?」
と寝たまま柊朔に問う。
「だから、暁春の事だよ、お前このままでいいのか?」
「このままって…」
「俺は…正直さ、変に手を出して標的にされるより今は放っといた方がいいと思う、けどさ、お前、やっぱり好きなんだろ?あいつの事」
俺は言われて少し顔を赤らめた。
「はぁ!?そ、そんな訳ねぇだろ!あいつは俺が家が近いからって溜まったプリント届けてるだけの関係だし…」
正直図星だ。
「ほんと、お前は素直じゃねぇよな。」
柊朔は頭をかいて少し困った様子だった。
きーんこーんかーんこーん———————
チャイムが鳴る、予鈴だ。
「やべ、授業に出遅れちまう。早く行こうぜ」
確かに授業に後れてしまうだろう。だが、
「俺はちょっと欠席だ、次の授業から出るよ、理科のあのじじいは好きじゃねぇ」
と断った。
「まぁ、話長ぇもんな、暁春にもセクハラしてたって、噂もあるしな。」
「...。」
そう、彼女は虐められている、生徒からも先生からも、ただ「病弱」なだけなのに。
でも、俺はそんな彼女に好意を寄せている、理由はわからない、でも…だから、手を差し伸べたい、暁春が…虐められていたら虐めたやつらに
「離れろクソ野郎!」って言ってやりたい、でも、俺はいつも足が竦んで動けなくなる、ただただ傍観しているだけのクズ野郎だ。
「ごめんごめん、お前の前でこの話はよろしく無い…な。ま、俺は欠席で単位落としたくないし行くわ!お前みたいに頭も良くはないからな、じゃな!」
そう言って柊朔はこの場を離れていった。
俺はのそのそと立ち上がり屋上の縁に立つ。
「どうしたもんかなぁ…」
少し冷たい風と暖かい太陽。
まるで北風と太陽が争うかの様に俺の気持ちをなだめる。
「やっぱり、寝よ…」
俺は再びベンチに戻り横になって寝た。
——————————
———————————————!
「—————おい、——きろ!—————起きろ!起きろって!」
柊朔の声で目が覚める。
「なんだよ…授業は終わったのか…?」
「はぁ…部活終わって見に来たらこれだよ、終わったも何もだいぶ暗いぞ」
そう言われてあたりを見渡すと辺りは夕方を過ぎていた。
「帰ろ…。」
「おいおい…帰ろってお前頼まれごと忘れてんじゃねぇだろうな?」
そう言われて気付く。
「あ、そうだった…。」
暁春の家までプリントを届けなければいけないんだった。
「やっぱり忘れてやがったか…。本当に好きなんかどうなんかわかんねぇな。」
「好きとかじゃねぇ、少し好意があって気になってるだけだ。」
「それを好きっていうんだよ鈍感野郎。とりあえず迷惑な時間になる前に行ってこいよな、俺は先に帰るわ部活で疲れたしな、んじゃ、また明日な」
そう言って柊朔はそそくさと帰っていった。
「行くかぁ…。」
そうつぶやいて重い腰を上げ、教室へ荷物を取りに戻る。
教室に戻ると暁春の机の上に花瓶と花が活けてあった。
机にはご冥福をお祈りしますや、帰ってくるなと言った落書きがされていた。
「幼稚だな…。」
教室に戻る途中、男子3人組が教室から出てくるのを見た。恐らくそいつらの仕業だろう。
これを退けたり消すと標的にされかねないのでそれをそのままに荷物を手に取り教室を出た。




