48.前夜祭
【舞鶴千夜総合】 137曲目
001 消費があまりに激しいので本スレは分割されることになりました
002 できるだけ下記の個別スレを活用してください
003 演劇活動については「舞鶴千夜【女優】」スレで
004 音楽活動については「舞鶴千夜【歌手】」スレで
005 将棋関係は舞鶴千夜名義の棋戦含め「天道静香応援スレ」で
006 ようやく分割問題も解決したか
009 昇段確定後から後、メディアに出ずっぱりだったからな。
012 昇段→ニュース→熱血颱風→ワイドショー→探偵槐最終回→将棋タイム
013 主なものだけでもこれ。他の番組入れたらきりがないからね
015 すごいよね。御厨フィーバーの時もこれほどだったっけ?
017 あれは30連勝の頃だろ。プロになったばかりの頃はそうじゃなかった。
018 鳥居のドラマ、最後2回も良かったよな
019 ふたりともギャラがさらに高騰するから、もう共演はないかもしれん
021 最近は間合のCMをやたら見かける。
022 舞鶴千夜、もうすぐ高校3年生、将来を考える時期がきました!
025 もうお前、将来決まっとるやないかい
026 2月から流れてるから収録時はまだ決まってなかったんじゃない?
027 だってもう一生分ぐらい稼いだんじゃないの?
028 稼いでいても全然おかしくない
029 将棋、歌手、女優、CM、その他
030 その他って、モデルとかバラエティとかだよな それだけで十分
031 CMなんて見ない日が無い 特に間合塾のせいだけど。
032 間合で私の未来を探しに行こう! こっちも聞き飽きた
033 間合塾は大丈夫なのか?
035 今は成績いいみたいだけど、多忙すぎるだろ
036 そもそも大学行く必要ないからな 受験全滅 あり得ると思います
038 推薦でどこでも行けるだろ
043 4月になったら間合塾は減るだろうけど他のCMが一気に増えるぞ
045 なんでわかるの?
046 報道されてるだろ 自分で調べろ
050 掲示板が分割されてすごく使いにくくなったんだけど?
052 俺は昔からの信者だけど、ニワカはすぐ消えて元にもどるだろ
053 古株自慢きた
055 女王戦、勝ったらもちろんだし仮に負けても芸能人としては美味しい
056 他の棋戦も始まる 特に女流はかなり上位に食い込むのは間違いない
059 特に白銀戦は今大沼がやった以上の虐殺が見られるはず
060 そんな言い方があるかはともかく男性棋戦はどうなの?
073 さあ? 熱血颱風で本人が短期戦の方が自信があるって言ってたから、持ち時間短い棋戦だとそこそこのところまでいくかもね
075 チャレンジカップ、清流戦といった登竜門系だな
079 登竜門系でも新人戦はちょっと時間長いから無理かも
082 持ち時間の短さだけなら、星雲、公共放送、夕陽あたりの棋戦だな
083 タイトル棋戦はどれも長めだからな。でもC2なら勝てるんじゃね
095 いい加減将棋の話が長いぞ
097 自治委員がきたぞ
099 でも前みたいに複数の話題が並行する状況はねえ。分割してよかったんじゃね
4月1日新しい年度を迎え、静香の環境は大きく変わったはずだ。まず高校3年生になった。間合塾のキャンペーンがあるので受験はすることになっている。入試の勉強については学校の他、間合塾の先生に隔週で、マンツーマンで教えてもらえる。もちろん仕事なので、勉強を教わっている時間も撮影されており、その時間分+αのお金が鎌プロに流れる。実際に大学に入学するかはまた別の話。
そして今日を以て女流棋士を兼ねる初めての棋士になった。だが昇段免状などは4月中旬の将棋大賞の受賞式と同時に行われるので、まだ棋士になった実感はない。実際今日もレコーディングの現場にきている。今、千夜が弾いているのは、ナイジェリア人の大学生が作った曲だ。彼が2年かけて初めて作った曲だという。送られてきた音源を聞いた鎌プロの制作部はすぐに彼と契約を結んだという。
この大学生は新人だけど、今、千夜の所には多くの音楽家から曲が送られてくる。契約料はもちろんだが、作詞者・作曲者には印税が重要なので、せっかく作った曲は売れてもらわないと困る。千夜が歌えば売れる、というのが国内だけでなく、国外のアーティストたちにも認識されてきたようだ。中には、イギリスの有名なアーティストが送って来てくれたものもある。静香が歌って売れた後、1年後に自分でセルフカバーすることで2度美味しいのだという。
そんなわけで夏には3枚のアルバムが同時リリースされる予定だ。1枚は日本語曲、1枚は英語曲、そして最後の1枚は英語曲、日本語曲、ボーカルレスのギターソロも混じったごった煮だ。全36曲、すべて新作の別の曲だ。
将棋も含めてエンタメの世界はとにかく格差社会だ。有名になればなるほど、お金も含めていろんなモノがあちらからやって来る。千夜は今まさにそういう状況にあった。ファンクラブ通信をレコーディングの休み時間に書くような状態だ。
明日も午前中はレコーディング。昼から取材班付きで移動して、夕方からプレーン女子オープン五番勝負の前夜祭に主役のひとりとして出席する。
初めての前夜祭。プロになってわずか2日目でタイトル挑戦者として、天道静香は将棋ファンならだれでも知っている鶴巻館に現れた。とあるアニメの舞台のひとつとも言われる老舗旅館で、敷地の入口にある陣太鼓で迎えてもらえる。
その後、あれやこれや人前に出る準備を大急ぎでして、向田女王と並んでメイン会場に出るだけで大きな拍手が沸き起こる。普通の女流棋士であれば、足がすくむかもしれない。だが静香は何も怖くない。ここにいる人の10倍以上の観客の前で一人で弾き語りをしたり、MCをしてきたのだから。
拍手を受けながら、壇上へと向かう。そこには何人かの知っている人と多くの知らない人がいた。今日の静香は上から下まで新スポンサー『ルイッチ』のコーディネータが用意してくれた衣装を着こなしている。アクセサリーは小さな髪飾りと、左手に女性向けのシンプルな腕時計のみ。今日は大人っぽい服装が選択されていたが、これだけでもいくらかかるんだろう?
なおアクセサリーや腕時計は後で返却するが、服や靴は既製品に見えて実は静香用のオーダーメイドなのでもらえてしまう。ただでさえお金をもらっているのに! もらう立場の静香ですら理不尽だと思う。
向田女王に続いて壇上に昇る。当然だが、まずはお偉いさんの話から始まる。一番手はこの棋戦のスポンサーであり、また舞鶴千夜をキャンペーンガールとして使ってくれている、プレーン化粧品の長良川社長だ。続いて女流戦にしては珍しく、将棋連盟から梅原会長が挨拶をする。その後地元有力者の掛け声で乾杯がある。静香はもちろんリンゴジュース。
その後、地元の小学生の女の子から花束を受け取る。静香が好きな桜だった。その後司会者から、静香に話が振られる。
「ではまず、挑戦者である天道静香四段から、今回の五番勝負の意気込みを聞かせて頂きたいと思います。天道四段、お願いします」
これまで静香は「プレーン女子オープン」に限っては、芸名の舞鶴千夜を名乗っていた。だが昨日、正式にプロになるのをひとつの契機とし、将棋関係は今後、すべて本名である天道静香で活動することになった。静香の意見というよりは、鎌プロ、連盟、そしてプレーン化粧品の三者の協議による結果だ。今後様々な場合場合で生じるであろう権利関係の整理の一環だという。もちろん本名で活動している時も、鎌プロにマネジメントしてもらっているので明石さんもこの場にいる。
そしてこれがプロになってからの第一声になる。
「ただいまご紹介に預かりました、天道静香です。昨日プロに成ったばかりの分際で、初戦がタイトル戦ということで大変緊張しています。私にとってもそうですが、皆さんにも忘れられないような一局を指せたら、と思っております。若輩者ですが、これからも末永くよろしくお願い致します」
その後、四連覇を目指す向田女王が意気込みを語る。その途中で、女王が静香についても触れた。
「私も女子オープン、いや女流戦で、棋士の挑戦を受けるとは思っていませんでした。天道四段の初戦の相手というのはプレッシャーもありますが、同時に新しい刺激も受けています。むしろ私が挑戦者で、なんとか食らいつくつもりで指したいと考えています」
その後は様々な質問に答え、長良川会長をはじめとするお偉いさんや、立会人を務める皆さま方にも挨拶をした。
そして翌日の第一局、静香は師匠から頂いた和装に身を包んだ。もちろん勝ちに行くために。