38.決勝戦
【歌手】舞鶴千夜応援スレッド 89曲目【役者】
608 いやあ千夜様は絶好調だなあ
609 鳥居のドラマは好調だけど、前の千夜様回はさらに数字が上がったらしい
610 大きな森、この前見に行ったけど良かった 強引に連れていった連れも感動してた
611 コメディもいいけど、シリアスな作品の方が向いてるのかもしれんね
612 なんやかんや英語のアルバムも売れているみたいだね。
613 海外進出狙っているのかな 必要ないじゃん
614 プラスドクリップは全世界で千夜様がイメージキャラクターだよ
615 確かに日本では売れてるけど、自分で曲書いてるわけじゃないしな
617 若手女性シンガーとしては頭一つ抜けているからそれでいいじゃん
618 CMもすごく出てるしな たった1年程で一生分稼いだんじゃね
619 大きな森も海外でも配給されるみたいだぞ
620 将棋の方も好調だな。将棋も普通の勉強もいつやってるんだろ。
621 将棋は櫛木に勝った時点で本物だと思った 昇段するんじゃね?
624 そんなに甘くないだろ 女流オープンは決勝に進んでいるけど
625 あれは大沼女流王者の最悪の見落としだから
792 ニュースに出る、と思ったら静香の方か
793 これは完全に塩対応 芸能人とはとても思えない態度だな
795 それも敢えて二面性を演出しているマーケティングじゃないの
796 実際現時点で2敗、残り4局でトップタイでしょ?
797 でも3敗が3人いるからひとつ落としたらやばい
798 そのうち2人は直接対決があるからどっちかは4敗になる
799 残りの1人も櫛木戦を残しているからな
801 千夜さまは女子オープンの決勝もあるから大変だよな
812 ここのメンバーもなんやかんや将棋に詳しくなったよな
813 将棋板の方も芸能ネタがいっぱい流れるようになってるよ
818 そろそろ統合したら?
2月の最初の例会で千夜は勝ち星を重ねた。櫛木三段も2敗をキープしたが、3敗の3人は2人が1局を、残りの1人は2局とも落とした。昇段、あるいは降段がかかっている棋士はみなメンタルに悩まされる。静香はある意味将棋以外にいろいろやっているので、それでリセットできているのかもしれない。
これで静香は櫛木三段と同じ14勝2敗、それに次ぐのは遠山三段と池添三段で12勝4敗となっている。
最後の例会の2局のうち、どちらか片方を勝てば静香の四段昇段、つまりプロになることが決まる。だがこんなに簡単に終わるわけがない。静香は緩みがちになる気を引き締めた。気を引き締めるのは何回やっても問題ない。
平日は学校帰りにいつものレッスンとたまに撮影をこなす。この春は新しいアルバムを作る予定はないし、ツアーにも出ない。ただCMは現状の各社が契約を延長してくれ、また新しく千夜を使ってくれる会社も増える。新規の会社はもちろん、契約延長の各社も新しいCMを作るので、その撮影が多い。使用するBGMは既存のアルバム、英語版を含めて5枚の中から選ばれたものもあるが、夏にリリースするアルバムに入る予定の曲もある。CMと同時にリリースできないのは残念だけど、千夜にはそこまでの時間がなかった。
そして今更だが初の写真集が発売される。3分の1はこの写真集向けに新たに撮ったものだけど、残りはこれまでのグラビアや映画やドラマの現場、ライブのやその準備中に撮られた写真の再利用なのでそれなりに分厚い。千夜自身が反対したせいだけど、水着など露出の高いものは一切ないが大丈夫なのだろうか?
そして早くも6月には写真集その2が計画されていて、こちらは新規分の他は、対局など将棋サイドが中心になる。その2が陽の目をみるかどうかは今後の状況次第のところはあるが、もし発売される場合、最初からその1とワンセットになる構成で作っていた体裁になるように考えられている。
そして週末は『プレーン女子オープン』決勝。相手は蒔苗女流初段。双子の蒔苗姉妹の姉の方だ。妹とは静香として奨励会で2回指したことがあるが、姉とは初めての対局になる。総じて今回の棋戦は大荒れだ。最大の衝撃は女流三冠が1回戦で敗れたことで、若手の躍進が目立つ。
会場はさすがに決勝戦ということもあって、対局室も憧れの特別対局室。中継もされるし、それ以外のマスコミが対局室に結構入っている。学年は静香が上だがどちらも16歳の若手対決、どちらが勝ってもタイトル初挑戦、という今回の棋戦を象徴するような組み合わせ。さらに言えば千夜というか静香は来週、女性として初の四段昇段の可能性も高い。話題性のある一局だ。
でも残念ながら、決勝進出者名は舞鶴千夜奨励会三段だけど、見た目は天道静香そのものなのでした。
振駒は千夜の先手なので、まずは一つ有利。準決勝は後手だったけど、全体的には先手が多いような気がする。それが好調の原因なのかもしれない。お互いに角道を開け、3手目に千夜が飛車先の歩を突いて居飛車を思わせたところの4手目が5四歩、後手番はどうやらゴキゲン中飛車のようだ。その後2五歩と飛車先をさらに突き、予定通り相手は5二飛と中飛車に持って来た。ここの7手目が大きな分岐点になる。ここから角交換に持っていくのがいわゆる「丸山ワクチン」という「ゴキ中」対策になる。
だが千夜は5八金右と金をあげた。これは一見普通の手に見えるが急戦へと向かう手だ。千夜の急戦好きを知っているだろうから、これは蒔苗姉の読み通りかもしれないが、得意な方法で進めることにする。
互いに飛車先を付き合ってそれを払った後の13手目に角交換を仕掛けられる。16手目に飛銀両取りを仕掛けられるのはわかっているが、竜を作れるから悪くないだろう。取った桂馬はすぐに5五に打ち込んで相手の馬の動きを制限する。当然攻撃にも使える。30手目に5七歩打。蒔苗姉も攻め合い前提で研究してきたんだろうなあ。互いに時間は殆ど消費していない。34手目に4五に桂を打たれる、この桂馬は簡単には払えない。この後は5七を攻めて来るんだろうなあ。千夜の5筋の金が上下した後、36手目が5七香打。案の定だ。
千夜もと金で攻めていくが、40手目でまた5七に銀を打たれる。だが千夜も4三竜で攻め合いを続ける。42手目で玉頭の金を取られて王手を受ける。同玉でその成銀を払うが、早くも千夜の王様の周りは裸になってしまった。
でも大局で見ると有利なはずだ。敵陣にはこちらの竜とと金がいるが、自陣にいる相手の駒は隅っこにいる馬だけだしそれも5五に打った桂馬のおかげで殆ど効果がない。だから懸念はやはり5七。なかなか4五に居座った後手の桂を払うことができない。お互いに中央付近にいる桂馬をどう使うかという将棋になった。
金は後手陣に2枚、後手の駒台に2枚とすべて失ったが、逆にこちらの駒台には銀と香車が2枚ずついて、歩が4枚もある。大駒の利きなどを考えるとトータルではこちらが有利というのが千夜の目算だ。
44手目が5七金打で王手を受ける、この蒔苗姉はどこまで5七に打ち込むのが好きなんだろう。当然逃げるしかない。もちろん相手の馬のいない方へ。49手目9五角でこちらの初王手だが、当然合い駒される。
56手目に1八歩と打たれる。うん? これの意図はなんだろう。相手の持ち駒は歩が一枚だけだから、同香とした場合、その後何をするつもりなのか意図がわからない。終盤にこちらの角を取った時に打ち込む布石か、それとも千夜がこの歩を取らないことを期待して、どこかのタイミングで千夜の右辺の香桂をと金で取って攻め駒に使う。どちらかはわからないけどちょっと温い手だと思う。
千夜は少し時間をかけて自分の考えに漏れがないかを考えた結果、自陣に打ち込まれた歩を無視することに決めた。