34.全勝対決
【歌手】舞鶴千夜応援スレッド 67曲目【役者】
212 例の会見、女子オープン初戦は盛り上がったけどここのところまったりしてるね
213 あれから活動してないんだもの。いや、どこかで撮影とかしてるのかもしれんが
214 露出がないからわからん
215 なんでやねん 今普通の新聞にも出てるやないかい
220 こっちは千夜様掲示板、どっかの天道静香掲示板がもりあがってる
223 なんで?
225 三段リーグ初戦、田部三段に勝ったらしい
228 田部三段は今年度上期は10勝しているそこそこ強豪
229 つまり千夜様は将棋のプロになれるってこと?
233 そんなんわからん 初戦の人は上期10勝8敗で12位だったし
235 四段に上がれるのは42人もいる3段のうち2人だけ 厳しい世界だよね
239 2戦目も勝ったって
240 将棋板でどうぞ
242 そんなに排他的にしなくていいだろ 両方応援すればいいじゃん
245 ところが千夜様の活動のためには、静香が活躍すると困る
246 なんでやねん 同一人物だろ
250 同一人物だからだよ
251 4段になったから将棋に専念します あり得ると思います
253 だよな タイトル戦とか出るかもしれない
255 女流なら黙っていてもそのうち取れる 女流以外は無理無理
259 だって御厨いるからな あいつまだ26歳だぞ
403 今日明日、学校でライブのはずなのにどおしてこんなに閑散としてるの
511 時間たったけど文化祭の画像がアップされた。
513 いやあれ、パチモノのほうじゃん
515 文化祭動画の千夜様はどう見てもやっぱり偽物だな 歌い方も変えてるじゃん
516 全然千夜様感なかったよね でも歌は千夜様より上手くない?
518 本人にやりたいようにやらせたらああなるんだろう
521 やっぱり事務所が手綱をしっかり握っておかないとダメなタイプ
537 そろそろライブの話をしようぜ 新曲発表があるはずだ
538 文化祭と別の曲をやらないかな
539 ネット中継あるの?
541 有料だけどあるよ 公式ページ見ろよ
545 告知見に行った 重大発表があるって
546 それがニューアルバムのこと
548 それは重大発表じゃないだろ
551 ニューアルバムは公式ではまだ発表されていない
552 天道静香という棋士見習いが、文化祭でリークしただけ
554 そうするとニューアルバムが重大発表ってこと?
602 やっぱりニューアルバムじゃないか
603 2枚同時リリース! 片方は英語版
605 英語版なんて売れると思う?
606 それで文化祭の時英語で歌っていたんだ
608 前回のアルバムで英語の曲が結構配信で売れたらしい
609 二匹目のドジョウ狙いって……大赤字になると思う
630 でも、文化祭動画、他の動画より再生回数多いんだよな
631 それに英語のコメントも多いよな
633 なぜ他人の動画がここに? > 同一人物です、が幾度あったか
634 だから英語アルバムが売れる? そんな簡単じゃないだろ?
静香=千夜にとって、この年の11月はとても充実していた。12月発売予定のアルバムは思った以上の出来になったのでリリースが楽しみだ。
役者としては、鳥居由美ちゃん主演の連続推理ドラマ『女子高生探偵槐』の犯人役としてゲスト出演。由美ちゃん演じる女子高生探偵が捕まえる女子高生殺し屋、という役をもらった。元々は1エピソード2週間で逮捕されて退場する予定だったが、収録中にディレクターの判断で、実はラスボスの娘という役を追加で与えられ、今回のエピソードでは海外へ逃亡するという形に終わった。シリーズの最終2話で再度出番を与えられるというのはありがたいことだ。次の撮影は年末年始になる。
そして三段リーグは驚くなかれの4連勝でトータル6勝無敗。40人程の三段リーグ参加者の中、現時点で既に6勝無敗は静香ともうひとりしかいない。前期で14勝した3人のひとりで次点だった櫛木三段。今期の順位1位である彼と、静香は次戦、7戦目でぶつかる。彼はまだ中学1年生だから静香より4つも学年が下の最年少で、やはり静香が連敗を続けていた時期にボコボコにされた記憶がある。
そして決戦の時が来た。ってまだ第7戦だけどね。ここで勝つことができればもしかしたらもしかするかもしれない。
幸い静香が先手。2六歩、3四歩、7六歩。ここまでは普通の手筋。だが4手目で早くも踏み込まれた。8八角成、同銀の角交換。つまり一手損角換わりか角交換振り飛車の両天秤ってことか。そう静香は思ったが後手は4二銀で、まだ戦型はわからない。早くも思案どころだが、静香はノータイムで4八銀として自分の選択肢を広げる。だがこれは相手の選択肢も広げてしまうので、かなり乱戦が予感される序盤だ。
序盤はほぼノータイムで指していた両者だが、15手目から駒がぶつかり始めると、櫛木三段は少しづつ時間を使うようになった。そして20手を越えて大駒が派手にぶつかる展開になると静香も少しずつ時間を使わざるを得なくなった。静香は少しづつ自分が不利になるのを感じた。まだ囲みが強固だが、どんどん追いつめられている感じがする。57手目、相手の攻めが緩んだところ。ここで守るか攻めるかが大きな岐路だと感じた。
静香はここで30分以上時間を使った。普段の静香なら攻める。だがいくら考えても攻めはつながらないで、相手に駒を渡すことになる手筋しか見えない。だがそれは相手も同じだ。これ以上攻めることは難しいはずだ、一旦双方ともに態勢を整える必要があるだろう。だからここは守る。静香は長考の末自玉の傍に金を足した。その次の一手で櫛木三段がさらに時間を費やす。
つい先ほどの静香もそうだったのかもしれない。ひたすら盤面を食い入るように眺め続けている。やはり彼にとってもここが判断の分かれ目なのだと静香は感じた。残り時間が15分を切る所まで櫛木三段は長考を続け、ようやく指した手は静香が櫛木の攻撃は繋がらないと判断した手だった。この細い攻めがつながるのだろうか?
その後相手の猛攻が始まった。細い攻めが静香の読み以上に続く。静香は防戦一方になった。そのうち櫛木三段の持ち時間がなくなり、100手を越えた時には静香の持ち時間も無くなり互いに秒読みになった。もう50手近く、ずっと攻め続けられたため、静香の玉は裸同然まで剥がされていた。だがここで櫛木三段の攻めが止まる。ようやく静香に手番が回って来た。