第59話 次の場へ
更新遅れてしまい、申し訳ありません!
今回から、また続けて更新させて頂きます!
アレスルージュの意識を奪って少したった頃、ネルバの部下達がやってきた。
彼らにアイリスの保護、アレスルージュの捕縛、ついでにその他男達の捕縛を命じる。
不思議そうにアイリスが口を開いたのは、その時だった。
「ライルハート様、どこに行かれるのですか?」
そのアイリスの質問に俺は口ごもる。
今から行こうとしているところを、アイリスには知られたくなくて……けれどその態度でアイリスには十分だったらしい。
顔色を悪くしたアイリスが口を開く。
「まさか、私達を助けたのはライルハート様の独断なのですか!」
「……ああ、その通りだ」
「………っ!」
観念して頷いた俺に、アイリスの顔から血の気が引いた。
次の瞬間、アイリスは覚悟を決めたような顔つきで口を開く。
「ライルハート様、私はどうなってもいい。そう陛下にお伝え下さい。そうすればいくら陛下とはいえ、第二王子である………」
「アイリス。大丈夫だ」
だが、俺はそのアイリスの言葉を口にさせることは無かった。
アイリスの懸念も、覚悟も俺は全て理解していた。
それでも、その言葉を口にさせることは許す訳にはいかなかった。
何故なら、もう俺はアイリスを救うと決めているのだから。
今更その覚悟を変えることなど出来はしないし、するつもりもない。
そう。例え最悪の存在が目の前に立ちはだかったとしても。
「……ライルハート様」
その決意を理解し、アイリスの顔が歪む。
その顔を見た瞬間俺には、アイリスが罪悪感を抱いていることを理解出来た。
どうしようもなくお節介なアイリスが、この状況でどんな感情を抱くか、よく理解出来たから。
そんなアイリスのお節介に救われたからこそ、今はそんな顔をして欲しくなかった。
「アイリス笑ってくれないか」
「………え?」
呆然とこちらを見るアイリスに、俺は笑いかける。
「アイリス、俺は本当に大丈夫だ。絶対に全てを上手く収めてみせる。言っただろう。最悪、貴族でなくなっても二人で入れればいいと」
その俺の言葉に、アイリスの頬に涙が伝った。
様々な感情が顔に浮かび、その激情に耐えかねたアイリスから嗚咽が漏れる。
それでもアイリスは、その言葉を告げた。
「無事に、帰ってきて、ください。──旦那様」
「───っ!」
ああ、本当にアイリスはいつもそうだ。
俺の心が少しでも弱っていたら、強く保つための理由をくれる。
「行ってくる」
そう告げた俺の胸には、もう国王、父への恐怖はなかった。




