第46話 下からの足音
更新分短くて申し訳ありません……。
ライルハート様を前にして、私は呆然と口を動かしていた。
「なんでここに………」
「攫われた大切な人間を助けに来るのに理由はあるか?」
ライルハート様は、照れたように笑いながら、けれどもはっきりとそう口にした。
そのライルハート様の姿に、頭の中これは夢なんじゃないか。そんな思いが胸の中浮かぶ。
ライルハート様がこんな場所に私を助けにやってきてくれたこと。
ライルハート様が私に告げてくれた言葉。
その全てが、私の心から望んでいたものだった。
だから、私はこれが現実なのか判断できなかった。
あまりにも自分が望んだようにことが運びすぎて、今目の前にいるライルハート様が、自分の心が作り出した妄想のように感じるのを止めることが出来なかった。
ライルハート様に向かって呆然と、口を動かす。
「私は夢でも……っ!」
──そんな私の考えを否定するよう、下から、荒々しい足音が聞こえてきたのは、その時だった。
咄嗟に当たりを見回すが、ライルハート様を隠せるような場所も、そして壁の穴を隠すこともできない。
私は焦燥に駆られるが、そんな私と対照的にライルハート様は冷静そのものだった。
「気づかれたか」
そう呟いたライルハート様の声には、一切の恐怖も感じられることはなかった。
「……何人来ようが無駄だとも知らずに」
そう呟くと、ライルハート様は私の前にある檻へと両手をかけた。
するとまるで力を入れたようにも見えないのに、檻にちょうど人一人分通れる程の隙間ができる。
扉が開き、柄の悪い男達が入ってきたのは、その時だった。




